コスミック時代文庫 闇の用心棒〈1〉
内容説明
今ごろになって、なぜ?―本所相生町の長屋に年頃の娘・まゆみと住み、刀研ぎ師を営んでいた安田平兵衛は戦慄した。〈十八夜〉と記された紙片が彼の仕事場に投げ込まれたからだった。十八夜とは四五九屋、つまり地獄屋を意味する殺しの依頼である。平兵衛は逆八相に構え、瞬時に間合を詰める凄腕の剣客であったが、十年前、娘のために殺し稼業から足を洗ったのであった。どうやら、おれにしか出来ない仕事のようだ。平兵衛は直感したが、昔のように斬れる自信はない。だがまだ己の剣で、この世の悪を斬らねばならぬ、との思いもあった。老体に鞭打って鍛え直し、酒で武者震いを抑え、いざ修羅へ!殺るか殺られるか、一人の老剣客がふたたび地獄の鬼と化す!!
著者等紹介
鳥羽亮[トバリョウ]
1946年、埼玉県生まれ。埼玉大学教育学部卒業。1990年、『剣の道殺人事件』で第三十六回江戸川乱歩賞を受賞。デビュー後は、時代小説、とくに剣豪の分野で活躍し、第一人者となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
コスミック時代文庫