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月刊 初等教育資料2024年4月号 文部科学省教育課程課・幼児教育課/編
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【特集I】各教科等における指導の充実・改善(1)

令和2年4月に小学校学習指導要領(平成29年告示)が全面実施されてから、令和6年度で5年目を迎えます。
『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 総則編』には、教育課程の実施に向けて、「各教科等の指導に当たって、(1)知識及び技能が習得されるようにすること、(2)思考力、判断力、表現力等を育成すること、(3)学びに向かう力、人間性等を涵養することが偏りなく実現されるよう、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら、児童の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うこと、その際、各教科等の『見方・考え方』を働かせ、各教科等の学習の過程を重視して充実を図ること」と記されてまする。このことからも、各教科等の指導の充実・改善に当たっては、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善が軸となると言えるでしょう。
さらに、本誌令和5年5月号、9月号、令和6年1月号の座談会では、教師が、資質・能力の育成を行うという意識の高まりは認められるが、主体的・対話的で深い学びの視点が目的化されている状況が見受けられることや、深い学びに関しては、理解はされつつあるが、実際の指導においては、どのように授業改善してよいのかが分からないといった状況も見受けられることなど、成果と課題が指摘されています。それらを受け、4月号では、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善を軸とした指導の充実・改善について論説を示すとともに、幼児教育、国語科、社会科、算数科、理科、生活科、音楽科における指導の充実・改善について各調査官が論説事例を示します。

【特集II】学習指導要領における指導のポイント[道徳]
「特別の教科 道徳」の指導と評価のより一層の充実

よりよく生きるための基盤となる道徳性を養う道徳教育及びその要である「特別の教科 道徳」(以下、「道徳科」とする)は、令和6年度で全面実施7年目を迎えることになります。つまり、本年3三月に小学校を卒業した子供たちは、1年生から6年生まで道徳科を学んだということになります。
この間、各学校においては、「小学校学習指導要領(平成29年告示)」(以下、「学習指導要領」とする)の趣旨を踏まえ「考え、議論する道徳」への質的転換、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善を図っており、令和3年度道徳教育実施状況調査においては、「教師の意識が高まった」97%、「授業時数を十分確保して指導」92.5%、「話合いや議論が活発になった」86.9%など、「特別の教科」化が目指した量的確保、質的転換の面で一定の成果が挙がっています。
一方で、道徳教育の更なる充実に向けた課題として6割以上(都道府県・政令市では76%)の教育委員会が「教師の指導力」を挙げるなど、指導力の維持・向上や研修機会等の充実が喫緊の課題であり、道徳科のよりよい実施に向けて、各種研修等の充実に加え、教科化以降の実践的知見の見える化・共有化を図る必要があります。
そこで本特集では、中央教育審議会答申や学習指導要領を基に改訂の経緯を再確認し、道徳科の指導と評価のより一層の充実に向けた方策等について論じるとともに、幅広い実践を紹介しています。

  • 読者対象:幼稚園教員・保育士・小学校教員
  • 出版年月:2024年3月28日