ひっくり返す人類学 ――生きづらさの「そもそも」を問う (ちくまプリマー新書 464)
常識をひっくり返して「そもそも」を問う思考法には、問題を定義し直し、より本質的な議論に導く力があります。学校教育や貧富の格差、心の病など、身近で大きな社会・環境危機に人類学で立ち向かう一冊。 【本書で扱う一例】 ヘヤー・インディアンは「教わる」という概念を持たない ⇒学校ってなぜ行くの?そもそも学ぶって何? プナンは獲物もお金もみんなでシェアして貧富の差がない ⇒格差や権力はそもそもなぜ生まれるの? 世界には、「貧富の差」のない共同体や、学校に行かず「教わる」という概念も持たない社会が存在する。常識をひっくり返して考えた時、議論すべき本質が見える。 【目次】 序章 人類学でひっくり返すとはどういうことか? 1「精神の危機」によって生まれた人類学 2『ひっくり返す人類学』とは何か? 3本書が目指す「処方箋」としての人類学 第1章 学校や教育とはそもそも何なのか 1私の「お稽古ごと」時代 2ピアノ教室の未知の世界 3学校教育とは何か 4「師弟関係」がないヘヤー・インディアン 5ヘヤーにとって「覚える」とは? 6ボルネオ島の狩猟民プナンにとっての「学び」 7プナンにとって「学校」と