強い通貨、弱い通貨 (ハヤカワ新書)
ドルが危ない? 果たして円は? お金がわかれば世界がわかる。 「ドルを殺す者は誰か?」 国際経済・金融の分析は一種の「ミステリー」と言っても過言ではありません。 かつて圧倒的な覇権通貨であった英ポンドは二度の世界大戦の結果、20世紀前半に没落しました。金本位制という当時の硬直的なシステムの下では、それ以外の結果を想定するのは困難です。つまりポンドは、金本位制という「現場」で、世界大戦と大恐慌によって「殺された」のでした。 もしドルが没落への道をたどる場合、ドルを「殺す」者は誰でしょうか? 本書は今世紀半ばを想定していくつかの候補を検討し、一つの結論に達します。 為替相場や景況の見込みが日々変動する現在、長期的な視座を得るために最適の一冊。 || 本書の内容より || 序章 鷲は舞い降りた 国際通貨覇権の淵源 第1章 幼年期の終り ドルの誕生 第2章 死にゆく者への祈り 最初の基軸通貨英ポンドの凋落 第3章 黄金三角 短命に終わった基軸通貨としてのドル 第4章 ゴッドファーザー 生き延びたドル秩序 第5章 大いなる幻影 ユーロの挑戦 第6章 ¥の悲劇 地盤沈下する円 第