内容説明
「コミュニティ・アセット」とは、「空き家増加」と「コミュニティの活力低下」という二つの問題を同時に解決する「場づくり」を指す。本書では、「コミュニティ・アセット」の11の事例を通じ、金融による事業スキームの構築方法や完成までのプロセスを、スキームダイアグラムや豊富なカラー写真とともに伝える。行政、金融機関、地主、大家、設計者らなどまちづくりに関わる方の必携の書。
目次
1 民間主導の公共プロジェクト(地方から生まれた公民連携の最先端事例 岡崎正信/株式会社オガール―オガールプロジェクト;官民連携によるまちの交流拠点 内山博文/つくばまちなかデザイン株式会社―co‐en ほか)
2 コミュニティ事業から始まる地域再生(DIYによる近隣活性化の始まり 河野直/合同会社つみき設計施工社―123ビルヂング;投資から始まる場の育成・運営 松島孝夫/株式会社エンジョイワークス―平野邸Hayama、The Bath&Bed Hayama、桜山シェアアトリエ ほか)
3 市民の汗のエリアマネジメント(空き家が増え続ける坂道のまちに立ち向かう 豊田雅子/NPO法人尾道空き家再生プロジェクト―あなごのねどこ、みはらし亭;オーナーを突き動かす地域貢献型のテナント戦略 東海林諭宣/株式会社See Visions―ヤマキウ南倉庫 ほか)
4 まちの価値を活かした空き家再生(既存の不動産価値を活かした再生術 藤原岳史/一般社団法人ノオト、株式会社NOTE―篠山城下町ホテルNIPPONIA;自治体と民間を連携させ新しい流通の仕組みをつくる 和田貴充/空き家活用株式会社―アキカツナビ ほか)
著者等紹介
田島則行[タジマノリユキ]
千葉工業大学准教授。博士(環境学)、一級建築士、宅地建物取引士、テレデザイン代表。1964年東京都生まれ。工学院大学建築学科卒業、AAスクール(イギリス)大学院修了。東京大学大学院博士後期課程修了。1993年独立。1999年テレデザイン設立。2013年千葉工業大学着任。設計デザイン活動の一方で、数多くのリノベーション、まちづくり、地域再生プロジェクトを手掛ける。受賞にJCDデザイン優秀賞受賞、建築家協会優秀作品選、都市住宅学会・学会賞著作賞、伊勢崎市景観まちづくり賞、国際学会(WBC2022)最優秀論文賞など
奥村誠一[オクムラセイイチ]
文化学園大学造形学部准教授、アーキインタイム共同主宰、武蔵野美術大学非常勤講師。博士(建築学)、一級建築士。1976年福岡県生まれ。現・東京都立大学大学院建築学域博士課程修了。青木茂建築工房取締役東京事務所所長を経て、2020年奥村誠一建築再生設計事務所設立、2023年アーキインタイムに改組
権藤智之[ゴンドウトモユキ]
東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授。博士(工学)。1983年香川県生まれ。東京大学工学部建築学科卒業、同大学大学院博士課程修了。首都大学東京(現・東京都立大学)准教授を経て、2017年より東京大学特任准教授に着任、2022年より現職。専門は地域の住宅生産、構法史、複雑形状の建築生産など
中城康彦[ナカジョウヤスヒコ]
明海大学不動産学部教授。博士(工学)、一級建築士、不動産鑑定士、FRICS。1979年名古屋工業大学修士課程修了。建築設計、不動産鑑定、米国不動産投資会社勤務後、会社設立。1996年明海大学専任講師、ケンブリッジ大学客員研究員を経て2012年明海大学不動産学部長・研究科長に着任
納村信之[ノムラノブユキ]
岡山理科大学工学部建築学科教授。博士(工学)、一級建築士。1965年愛媛県生まれ。東京大学建築学科卒業、AAスクール大学院修了、東京大学大学院工学系研究科博士課程。清水建設設計本部、プランテック総合計画事務所勤務後、テレデザイン・コラボレーション設立に参画。名古屋商科大学大学院教授後、2022年度より岡山理科大学教授に着任
森田芳朗[モリタヨシロウ]
東京工芸大学工学部教授。博士(工学)。1973年福岡県生まれ。九州大学大学院工学研究科修士課程修了、東京大学大学院工学系研究科博士課程修了
山崎亮[ヤマザキリョウ]
studio−L代表、関西学院大学建築学部教授。博士(工学)、コミュニティデザイナー、社会福祉士。1973年愛知県生まれ。大阪府立大学大学院および東京大学大学院修了。建築・ランドスケープ設計事務所を経て、2005年studio−L設立。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、市民参加型のパークマネジメントなどに関するプロジェクトが多い
若竹雅宏[ワカタケマサヒロ]
福岡女子大学准教授。博士(工学)、一級建築士。1975年広島県生まれ。日本大学生産工学部建築工学科卒業、同大学院修了。2000〜2018年鈴木エドワード建築設計事務所。2018年福岡女子大学講師、2021年より准教授に着任。専門はコミュニティ施設の計画論、建築物(高齢者施設)の避難安全計画。近年はおもに「若者や子ども」を対象にした地域づくり・施設づくりに関わる計画及び実践を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)