やまかわうみ別冊 折口信夫 死と再生、そして常世・他界
内容説明
「死は死ではなく、生の為の静止期間であった」(「若水の話」)―。折口信夫が“古代研究”として、国文学と民俗学を辿って明らかにしたのは、「魂」の死生観が古代人に存したことにあった。「外来魂」をキーワードに「死と再生」を説く折口は一方で、古典解釈や沖縄民俗探訪から「常世・他界」という古代人の世界観を論じる。従来の死生観が問われている現在、折口信夫の死生観と、それを反映して書かれた小説「死者の書」を収録する。
目次
「魂」の死生学―折口信夫の「死と再生」論(小川直之)
折口信夫と鎮魂の祭儀(新谷尚紀)
山のわざおぎ―湯立て神楽の常世観(金子遊)
折口信夫「論考+小説」(死と再生;常世と他界;小説 死者の書)
著者等紹介
小川直之[オガワナオユキ]
1953年、神奈川県生まれ。國學院大學文学部文学科卒業。博士(民俗学)。國學院大學・同大学院教授。南開大学(中国)客員教授。日本各地の伝承文化のフィールドワークと研究、中国の少数民族、台湾、インドなどの民族文化研究とともに、折口博士記念古代研究所(國學院大學)で折口信夫研究を進めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)