内容説明
このままでは、「薬害」がまた起こる。エイズ政策の意思決定にかかわった当事者が綴る医療安全のための政策提言。なぜ日本の血友病患者に感染が広がったのか、その真実と全体像を明らかにし、このような悲劇を繰り返さないための提言をする。
目次
第1章 エイズの侵入と初期対応(生物製剤課へ;丸山ワクチン;血液事業 ほか)
第2章 研究の進歩と知見の変化(その後の急速な研究の進歩;安部医師の裁判;エイズウイルスの同定 ほか)
第3章 エイズ訴訟と和解に向けての動き(急いだ政府の対応;集団訴訟へ;NHKの「埋もれたエイズ報告」 ほか)
第4章 国々の対応(アメリカの対応;ドイツ(旧西ドイツ)の対応
フランスの対応 ほか)
第5章 より良い社会づくりのために(エイズ騒動の総括はいまだ行われていない;HIV感染症は死の病ではなくなった;医療は「途上技術」である ほか)
第6章 思うこと(時間感覚という進化;不安と争い;「憎む」ということ ほか)
著者等紹介
郡司篤晃[グンジアツアキ]
1937年茨城県水戸市生まれ。1965年東京大学医学部卒、医学博士。1970年より東京女子医科大学日本心臓血圧研究所助手、講師、助教授を経て、1975年より厚生省医務局総務課、課長補佐。その後環境庁、鹿児島県衛生部長、薬務局生物製剤課長、保健医療局健康増進栄養課長を経て、1985年より東京大学医学部保健学科保健管理学教室教授。医療の質の第三者評価システムの開発、医療におけるクリティカル・パスの研究開発など医療管理・政策の研究に従事した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
なぜ日本の血友病患者にエイズ感染が広がり、そのことについての誤った責任追及が行われたのか。これまで明かされることのなかった真実と悲劇を繰り返さないための政策提言。
「私の命も先が短くなったので、本書を書く決心をした」。
エイズ政策の意思決定にかかわり、日本社会の危うさと病理を実感し続けてきた当事者が30年越しに綴る、渾身のノンフィクション。
このままでは、「薬害」がまた起こる――。
<目次>
はじめに
第一章 エイズの侵入と初期対応
第二章 研究の進歩と知見の変化
第三章 エイズ提訴と和解に向けての動き
第四章 国々の対応
第五章 より良い社会づくりのために
第六章 思うこと
あとがき