トヨタと日産にみる“場”に生きる力―労働現場の比較分析
内容説明
労働現場には“抵抗の歴史”と“働く者の文化”が刻み込まれている!働く場から労働社会と働き方を照射する実践的労働論。
目次
本研究の視角と課題
第1部 労使関係の形成過程から読み解く現場の「中核層」のスタンス―企業内学校の出身者に注目して(企業内学校―「中核層」の教育;トヨタの労使関係の転機と現場の「中核層」のリーダーシップ;日産の労使関係の転機と現場の「中核層」の軸足)
第2部 長期雇用者のキャリア管理と組織への統合―能力形成と昇進競争に着目して(能力形成と組織への統合―キャリアモデルの検討を通して;昇進と競争―全体の「底上げ」とリーダーの育成とのジレンマに注目して)
第3部 「末端」への管理の浸透と非正規労働者の働きぶり(労務管理の実態比較―切り捨てと抱え込み;労働管理の実態比較―労働の質と量;職場管理の実態比較―チーム・コンセプトと可視化;労働過程の直接的な管理の実態比較―場のつくり込み)
第4部 働く場の力学の理論的整理―市場と組織の間で(工場への労働者の取り込み―統制に対する抵抗から「同意」の調達、「自己規律」へ;大規模組織の抱え込みと「オーガニゼーションマン」;組織内の攻防―多様な「抵抗」と職場の「つくり込み」;組織から再び市場へ―場に根づいた文化の一掃と職場の弱体化)
場のウチとソトをつなぐ
著者等紹介
伊原亮司[イハラリョウジ]
一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了(社会学博士)。現在、岐阜大学地域科学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)