内容説明
古代から「日出る国の天子」を中心に統合されてきた日本では、今なお憲法の冒頭に世襲の天皇を国家・国民の象徴と定めている。この天皇を皇族として支えるのが、内廷と宮家の方々である。しかしながら現行の「皇室典範」のもとで皇族が次々減少している。その皇族を確保するためにはどうすればよいだろうか。ここに筆者の具体的な所見を提示する。
目次
皇室の在り方を改める「特例法」管見
新しい「皇族女子宮家」の在り方
皇女の敏宮は宮家当主、和宮は将軍正室
新設宮家も現存宮家と同一要件で
典範の改正に必要な皇室のご意向確認
渡邉允元侍従長の伝えた皇室のご意向/付 文庫「後書き」
「皇室会議」の現行規定と改正への提案
著名な皇統男系論者への疑問
政府案による近未来の皇室像への不安
「ご譲位」実現の画期的な意義の再確認
「万世一系」の天皇は「皇統に属する皇族」から
不可解な「皇室の祀り主は男系男子」論
宮中と神宮・勅祭社の祭祀担当者たち
「皇族数の確保」政府案の必要性と法形式
国会「与野党協議」初会合の或る報道寸評
「協議先送り」に切実な反省と真剣な努力
ある中世史家の曖昧な「象徴天皇」論再考
天皇・皇族の行幸啓と公務の分担
皇位継承者の要件は「皇統に属する皇族」のみ
天皇主催・成年皇族参列による「園遊会」の在り方
皇室典範特例法「附帯決議」有識者ヒアリング公述所見
著者等紹介
所功[トコロイサオ]
昭和16年(1941)12月岐阜県出身(小田原市現住)。令和元年(2019)11月日本学賞受賞(宮廷儀式の史的研究)。職歴:皇學館大学教員(9年間)、文部省教科書調査官(6年間)、京都産業大学教授(教養部→法学部・日本文化研究所、31年間)、モラロジー研究所教授(10年間)。現在、京都産業大学名誉教授、藝林会顧問、國民會館理事など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)