龍谷大学仏教文化研究叢書 中村久子女史と歎異抄―人生に絶望なし
内容説明
三歳のとき病気で両手両足を失った中村久子(1897‐1968)は、あのヘレン・ケラーに「私より不幸な、そして偉大な人」と言わしめた。幾多の逆境のなかで、親鸞の『歎異抄』に震えるような感動を覚えた彼女の生き方には、障がい者の尊厳や仏教の人間観があふれ、逆境に追い詰められた人びとを支え、生かされている尊さを、新資料を掲載して解明した、待望の必読の書。
目次
資料編(ご恩―中村久子・無手足の大恩(三島多聞)
珠玉の言葉―生きる力を求めて(中村久子) ほか)
論文編(中村久子の生死観と超越(上)(生死観と超越についての物語;中村久子の誕生から十八歳まで ほか)
中村久子の生死観と超越(中)(中村久子における生死を超える道;宿業の悲しみとその真意 ほか)
中村久子の生死観と超越(下)(亡き父と母への感謝;中村久子の見出した真実の宗教観 ほか))
著者等紹介
鍋島直樹[ナベシマナオキ]
龍谷大学文学部真宗学科教授。世界仏教文化研究センター応用研究部門人間・科学・宗教オープンリサーチセンター長。浄土真宗本願寺派住職。日本医師会生命倫理懇談会委員。専門、真宗学。親鸞における生死観と救い、ビハーラ活動論。死の前で不安を抱える人、死別の悲しみにある人の心に届くような仏教死生観と救済観の研究に取り組む。東日本大震災の被災地を震災直後から訪問し、遺族と心の交流をつづけている。2014年から東北大学大学院と連携して「臨床宗教師研修」を龍谷大学大学院で実施(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)