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『雅歌』の花嫁神秘主義とバンベルク大聖堂彫刻群
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内容説明

西洋中世彫刻の代表作、ドイツ・ゴシックの頂点をなすバンベルク大聖堂彫刻群。本書は、“聖母マリア像”を中心にすえ、旧約聖書『雅歌』註解の真髄である「花嫁神秘主義」を根幹として検証することで、この著名な作品群をめぐる長い研究史に新たな説を書き加える。様式史のみならず、同時代の聖書解釈や受容、教会と宮廷文化の関係性、歴史的・政治的背景などから、聖堂全体に重層的に織り込まれた一連の壮大なイメージ・プログラムを読み解いていく。



目次

第1章 バンベルク大聖堂彫刻群成立の歴史的背景(大聖堂の建立と再建―聖母マリア崇敬との関連において;ドイツ・ゴシックの女性像としての“聖母マリア像”の様式的考察)
第2章 愛の思想と『雅歌』の花嫁神秘主義(『雅歌』註解と花嫁神秘主義;キリスト教美術の中の『雅歌』 ほか)
第3章 バンベルク大聖堂扉口彫刻群(「君侯の門」;「慈悲の門」 ほか)
第4章 バンベルク大聖堂聖ゲオルギウス東内陣北障壁彫刻群(1)―花嫁としての聖母マリアの戴冠(受胎告知;「聖母戴冠」のプログラム ほか)
第5章 バンベルク大聖堂聖ゲオルギウス東内陣北障壁彫刻群(2)―花婿としての神聖君主の騎手キリスト(聖なる騎馬像と花嫁神秘主義;“騎馬像”とビザンティンの神聖皇帝の表象―図像的要因 ほか)



著者等紹介

仲間絢[ナカマアヤ]
1982年、ベルリン生まれ。東京外国語大学外国語学部ドイツ語専攻卒。京都大学大学院人間・環境学研究科共生人間学専攻博士後期課程修了、博士(人間・環境学)。日本学術振興会特別研究員(DC1、京都大学)、日本学術振興会特別研究員(PD、東京藝術大学)を経て、現在、ハーバード大学美術史・建築史学科リサーチ・アソシエイト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)