内容説明
なぜ「手話」の法制化なのか、そしてなぜ国政レベルではなく自治体で広がりを見せたのか。制度はそこに「ある」のではなく関係者間で構築されていく生き物のようなものであるという立場から、政策策定過程の意思決定プロセスを詳細に検討し、手話通訳養成の制度的な陥穽をあぶりだして、国政レベルでの法制化についての課題と「今やるべきこと」を提示する必携の書。
目次
第1部 手話の法制化をとりまくポリティクス(手話言語をめぐる法制化と人工内耳をめぐって;手話の法制化は聾者の言語権を保障するのか;手話言語条例制定の背景とその影響;第1部のまとめ)
第2部 手話言語条例の制定プロセスにみるポリティクス(手話の法制化に関する基礎的検討;条例制定のプロセス分析(1)群馬県
条例制定のプロセス分析(2)前橋市
第2部のまとめ)
第3部 今後の法制化で求められる諸課題(手話通訳者養成の課題;手話通訳業務従事者の資格制度のあり方に関する検討;手話の教科化は可能か?;聾学校教員の手話スキル習得の課題;第3部のまとめ)
著者等紹介
金澤貴之[カナザワタカユキ]
1971年生まれ。博士(教育学)。東京学芸大学、同大学院修士課程修了。筑波大学博士課程中途退学。筑波大学文部技官、同助手を経て、2000年4月から群馬大学教育学部障害児教育講座に講師として着任。現在、同大学共同教育学部特別支援教育講座教授。同大学手話サポーター養成プロジェクト室室長
二神麗子[フタガミレイコ]
1991年生まれ。博士(学術)。日本社会事業大学卒業。群馬大学大学院修士課程、立命館大学大学院博士課程修了。2017年4月から群馬大学手話サポーター養成プロジェクト室の初期スタッフとして研究員・助教を経て現在、客員講師。2023年4月から日本社会事業大学社会福祉学部福祉援助学科に講師として着任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)