内容説明
トラウマ・インフォームドケア(Trauma‐Informed Care:TIC)とはトラウマを「よく知っている」「熟知している」ケアのこと。トラウマという観点からケア・組織運営・協働をとらえ直し、新しい“かかわり”の一歩を踏み出してみましょう。
目次
1 トラウマ・インフォームドケアの定義(トラウマの概念;3つのE;3つのEの具体的な例 ほか)
2 文献検討からトラウマ・インフォームドケアを考える(トラウマ体験の研究)
3 トラウマ的な出来事への反応(トラウマ的な出来事の影響;侵入症状;陰性気分 ほか)
4 TICとNon‐TIC(トラウマ・インフォームドケア;具体的なトラウマ・インフォームドケア;Non‐TIC(トラウマを理解していないケア) ほか)
著者等紹介
川野雅資[カワノマサシ]
1973年、千葉大学教育学部特別教科看護教員養成課程卒業(教育学士)、1984年、ハワイ大学看護学部修士課程(CNSコース)修了(看護学修士)。東京都民生局、小林病院(看護師)の臨床経験の後、東京女子医科大学看護短期大学を経て、杏林大学保健学部看護学科教授、三重県立看護大学・大学院教授、地域交流研究センター・センター長、東京慈恵会医科大学医学部看護学科・大学院教授、山陽学園大学大学院教授を歴任。特定医療法人寿栄会顧問、有馬高原病院ナースサイエンティスト、心の相談室荻窪室長を経て、奈良学園大学大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
いつもお世話になっております。取次への搬入は2018年12月7日の予定です。よろしくお願いいたします。トラウマ・インフォームドケア(TIC)についてのもっとも簡単な説明は「トラウマについてよく知ったうえで対象者のケアを組み立て,療養環境を整備する」というもの。
鍵となる概念は再トラウマ体験。過去のトラウマ的な出来事がなんらかの刺激によって再帰し,心身に不調を生じさせる。あるいは長期にわたって症状が安定しないあの患者には,知らず知らずのうちに再トラウマ体験が生じているのかもしれない。だとしたら,ケアはいかに構成されるべきか。TICは精神医療に別の視点をもたらす。
Lesson1 トラウマ・インフォームドケアの定義
トラウマの概念
3つのE
3つのEの具体的な例
トラウマ・インフォームドケア
4つの仮定
6つの原理
トラウマ・インフォームドアプローチを実践するガイダンス
おわりに
Lesson2 文献検討からトラウマ・インフォームドケアを考える
トラウマ体験の研究
Lesson3 トラウマ的な出来事への反応
トラウマ的な出来事の影響
侵入症状
陰性気分
解離症状
回避症状
覚醒症状
社会面
Lesson4 TICとNon-TIC
トラウマ・インフォームドケア
具体的なトラウマ・インフォームドケア
Non-TIC(トラウマを理解していないケア)
再トラウマにつながるケアや治療
トラウマ的な体験をした患者にとっての隔離と拘束
隔離と拘束
隔離と拘束を回避する方法
TICを実践する方法のメニューを増やす
感性を育むために
トラウマ・インフォームドケアの達成目標
川野雅資[カワノ マサシ]
著・文・その他