吉原と江戸ことば考
内容説明
いまでもつかわれている江戸ことばの由来を考察しながら、江戸の経済や政治、そして吉原の成り立ち、風俗や習慣についてひと通り分かる。江戸の「通」になること間違いなし。
目次
現代も株世界で生きる「提灯を付ける」と江戸の遊里語「付き馬」
江戸言葉「いざこざ」「いさくさ」と遊廓吉原
山東京伝などの文学作品にみえる江戸の「いざこざ」と上方の「いざこざ」
「いざこざ」は江戸生まれで「いざ」は略語の本場吉原生まれ
近世語「いき」「すい」「つう」「やぼ」と「ありがとう」の略語「ありが」
江戸の吉原言葉であった「気ざわり」「きざ」と「ざんす」
「泥」にまつわる江戸語と上方語にみる「ごみ」から「泥臭い」
「泥」の意味はゴミから離れ「泥臭い」「泥棒」「泥町」へと拡がる
「泥」「泥町」と呼ばれた京都伏見や江戸吉原の遊廓に資本は動く
遠山金四郎景元が株仲間解散で経済破綻する商業資本主義
借金棒引きの棄捐令による経済混乱の世相では流行語や言葉は生まれない
商業資本主義社会で札差が支えた遊廓の興亡と流行語
金の世界の廓町を客と人情本読者たちはどう見ていたか
「いさくさ」と「いざこざ」再考、江戸小説に見る江戸訛り
「チャキチャキ」は江戸生まれでなく上方語
江戸生まれで現代も使われている「てこずる」
著者等紹介
棚橋正博[タナハシマサヒロ]
昭和22年(1947)秋田県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科(日本文学専攻)博士課程(前期)修了。博士(文学)早大。専攻・日本近世文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)