天皇学入門―われわれ日本人は、天皇をどう捉えてきたのか
内容説明
著者の、日本の「天皇」及び「天皇制」への関心は、ひたすら、歴史的に、天皇と民衆は無縁であったのではないか、ということで、本書を書くことはその確認作業であった。明治以降に天皇は国家によって、日本国民衆のトップに位置し、民衆から崇敬される存在になったが、それ以前はどうだったのか?さまざまなテクストが、天皇の存在のありようを提示している。今後、天皇制はどうなるのか。それは日本国民の「意志」に関わるに違いない。
目次
古代篇(「続日本紀」時代における天皇像を再読すると…―「続日本紀」;天皇と藤原氏が繰り広げる、華やかで、艶なる光景―「大鏡」+「今鏡」 ほか)
中世篇(平安末期から鎌倉時代初期の天皇たちの生と性―源顕兼編「古事談」+「続古事談」;北畠親房が言ったように、日本国は果たして「神国」だったのだろうか―北畠親房「神皇正統記」 ほか)
近世篇(戦国時代の覇者織田信長と、天皇の地平―太田牛一「信長公記」+小瀬甫庵「信長記」;天下人となった豊臣秀吉は、天皇とどう関わったのか?―小瀬甫庵「太閤記」 ほか)
近・現代篇(天は人の上に人を造らず、といった近代初期の思想家が天皇は“天”である、と考えたのだろうか―福沢諭吉「帝室論」+「尊王論」;第二次世界大戦の敗戦!この日、天皇はどのような発言をしたか―第二次世界大戦の敗戦を国民に告知する「詔書」(「官報」号外、昭和二十年八月十五日) ほか)
あとがきにかえて―「天皇学入門」のためのスケッチ
著者等紹介
安達史人[アダチフミト]
1943年生まれ。東京芸術大学美術学部芸術学科卒業。もと武蔵野美術大学講師。同大学機関紙「武蔵野美術」(季刊)編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)