内容説明
19世紀末から1930年代までのイギリス帝国史を、ヘゲモニー国家から「帝国的な構造的権力」への変容として捉え、インド軍の海外派兵問題と東アジアの工業化に対するイギリスの認識を軸に、政治外交史と経済史を統合する新たな国際関係史の構築を試みる。
目次
イギリス帝国と国際秩序―ヘゲモニー国家から帝国的な構造的権力へ
第1部 イギリス帝国とインド軍(一九世紀末のインド軍海外派兵問題―マルタ、アフガニスタン、エジプト;世紀転換期のイギリス帝国とインド軍―南アフリカ戦争と義和団事件;インド軍の上海派兵問題―一九二七年;イギリス帝国の変容とインドの軍事力)
第2部 東アジアの工業化とイギリス帝国(世紀転換期の日本の工業化に対するイギリスの認識;戦間期日本の経済発展に対するイギリスの認識;戦間期中国の工業化に対するイギリスの認識;東アジアの工業化と英領インド―「アジア間貿易」、インドの工業化をめぐるイギリスの認識;一九三〇年代におけるイギリスのプレゼンスの変質―一九三五年の中国幣制改革をめぐって)
著者等紹介
秋田茂[アキタシゲル]
1958年福山市生まれ。1985年広島大学大学院文学研究科博士課程後期中退。現在、大阪外国語大学外国語学部地域文化学科助教授
出版社内容情報
19世紀末から1930年代までのイギリス帝国史を、ヘゲモニー国家から「帝国的な構造的
権力」への変容として捉える視角から、インド軍の海外派兵問題と、東アジアの工業化に対す
るイギリスの認識に着目し、安全保障構造から経済構造にわたる新たな国際関係史の構築を試
みた力作。
<第20回大平正芳記念賞受賞>
目次:
序 章 イギリス帝国と国際秩序
策I部 イギリス帝国とインド軍
第1章 一九世紀末のインド軍海外派兵問題
第2章 世紀転換期のイギリス帝国とインド軍
第3章 インド軍の上海派兵問題
第4章 イギリス帝国の変容とインドの軍事力
第II部 東アジアの工業化とイギリス帝国
第5章 世紀転換期の日本の工業化に対するイギリスの認識
第6章 戦間期日本の経済発展に対するイギリスの認識
第7章 戦間期中国の工業化に対するイギリスの認識
第8章 東アジアの工業化と英領インド
第9章 一九三〇年代におけるイギリスのプレゼンスの変質
終 章