内容説明
半世紀にわたって森林生態系と造林の研究に携わってきた著者が、生産林として持続可能で、生物多様性に満ちた美しい日本の森林の姿を描く。日本列島各地で、さまざまな条件のもと取り組まれている森づくりの目指すべき道を示した。
目次
第1部 日本の森林・林業の現状と問題点(何を問題として問うのか;木材生産量は減り続け、人工林は劣化している ほか)
第2部 問題を解決するために必要なことは何か(目標とする社会の姿;目標とする森林の姿 ほか)
第3部 新たな森林管理のために必要なこと(森林管理のリーダーであるフォレスターの必要性;今の制度では技術の専門家は育たない ほか)
第4部 豊かな日本の農山村と社会を目指して(地球環境保全と森林との付き合い方;持続可能な社会のために農山村に必要なこと ほか)
著者等紹介
藤森隆郎[フジモリタカオ]
1938年京都市生まれ。1963年京都大学農学部林学科卒業後、農林省林業試験場(現在の森林総合研究所)入省。森林の生態と造林に関する研究に従事。農学博士。研究業績に対して農林水産大臣賞受賞。1999年、森林環境部長を最後に森林総合研究所を退官。社団法人日本森林技術協会技術指導役、青山学院大学非常勤講師を務めた。国連傘下の持続可能な森林管理の基準・指標作成委員会(モントリオールプロセス)の日本代表、IPCCの執筆委員など国際活動を務め、IPCCのノーベル平和賞受賞に貢献したとして、IPCC議長から表彰された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
半世紀にわたり森林生態系と造林の研究に携わってきた著者が、生産林として持続可能で生物多様性に満ちた美しい日本の森林の姿を描く半世紀にわたって森林生態系と造林の研究に携わってきた著者が、生産林として持続可能で、生物多様性に満ちた美しい日本の森林の姿を描く。
日本列島各地で、さまざまな条件のもと取り組まれている森づくりのめざすべき道を示した。
はじめに
第1部 日本の森林・林業の現状と問題点
1 何を問題として問うのか
2 木材生産量は減り続け、人工林は劣化している
コラム1 天然林、天然生林、人工林(更新、天然更新)
3 山で働く人が減少し様々な問題が起きている
4 ビジョンの見えない森林管理が進んでいる
コラム2 本来の間伐とは
5 林業力低下の理由
6 林業関係者に必要なこと
7 林業の背景となる日本社会の歩み
8 林業の歩み
コラム3 複相林施業
9 国産材の供給、販売体制が遅れてきた
10 木を使うことの意味
11 地域における循環と文化の喪失
12 国民と森林との距離が遠すぎる
第2部 問題を解決するために必要なことは何か
1 目標とする社会の姿
2 目標とする森林の姿
3 森林についてよく知ること
4 目標林型の求め方
5 合意形成のプロセスと科学的根拠
6 日本の自然、森林との付き合い方
7 森林を扱う技術者と経営者
8 自伐林家と集約化
9 林業と木材産業の関係
10 木を扱う技術者の育成
第3部 新たな森林管理のために必要なこと
1 森林管理のリーダーであるフォレスターの必要性
2 今の制度では技術の専門家は育たない
3 研究機関と行政の間の関係の改善
4 「根拠」を問うこと
5 ボトムアップの法律・制度・政策が必要
6 ボトムアップのための地域から国へのシステム
7 森林所有者と市民との関係
8 国際的視野に立つこと
第4部 豊かな日本の農山村と社会を目指して
1 地球環境保全と森林との付き合い方
2 持続可能な社会のために農山村に必要なこと
3 技術者が誇りを持てる社会
4 日本の森林と社会への決意
おわりに
主な参考文献
藤森 隆郎[フジモリ タカオ]
1938 年京都市生まれ。
1963 年京都大学農学部林学科卒業後、農林省林業試験場(現在の森林総合研究所)入省。
森林の生態と造林に関する研究に従事。農学博士。
研究業績に対して農林水産大臣賞受賞。
1999 年、森林環境部長を最後に森林総合研究所を退官。
社団法人日本森林技術協会技術指導役、青山学院大学非常勤講師を務めた。
国連傘下の持続可能な森林管理の基準・指標作成委員会(モントリオールプロセス)の日本代表、IPCC の執筆委員など国際活動を務め、IPCC のノーベル平和賞受賞に貢献したとして、IPCC 議長から表彰された。
主な著書として、『森との共生─持続可能な社会のために』(丸善、2000 年)、『森林と地球環境保全』(丸善、2004 年)、『森林生態学─持続可能な管理の基礎』(全国林業改良普及協会、2006 年)、『森づくりの心得─森林のしくみから施業・管理・ビジョンまで』(全国林業改良普及協会、2012 年)などがある。