内容説明
「法華経」に生き「法華経」に死した詩人・童話作家、宮澤賢治。その生涯をつらぬいたもの、そして彼の理想、願い、生死観とは―「法華経」研究の第一人者がつづる、信仰者・文学者としての姿。賢治が追い求めた法華経世界と数々の作品との深い絆を読み解く。
目次
1 賢治と法華経(仏教との縁;法華経への目覚め)
2 法華経とは何か(「法華経」とは;『法華経』全品(全章)の概要)
3 作品の中の法華経精神(仏教からの近代文明批判と仏教の眼―『注文の多い料理店』;春のイメージと修羅の懊悩―『春と修羅』の主題 ほか)
4 賢治の祈り(仏陀釈尊への帰命と地涌菩薩尊崇―賢治のいただいた菩薩の祈り;病床での苦悩―賢治における生と死)
著者等紹介
渡邊寶陽[ワタナベホウヨウ]
昭和8年(1933年)東京生れ。立正大学元学長、立正大学名誉教授、文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
「法華経」研究の第一人者がつづる、信仰者・文学者としての宮澤賢治。賢治が追い求めた法華経世界と数々の作品との深い絆を読み解く
まえがき
I 賢治と法華経
第一章 仏教との縁
【?】賢治の生涯と仏教とのふれあい
【?】宮澤家と仏教講習会
【?】時代の精神
第二章 法華経への目覚め
【?】島地大等の感化と法華経との出会い
【?】「聖道門の修業者には弱いのです」
【?】賢治の法華経文学
【?】「根原の法華経」
? 法華経とは何か
第一章 「法華経」とは
【?】『妙法蓮華経』の訳出
【?】宮澤賢治はどのように『法華経』に心を惹かれたのか
【?】『法華経』の二大教義 その?「諸法実相」について
【?】『法華経』の二大教義 その?「久遠実成」について
第二章 『法華経』全品(全章)の概要
【?】『法華経』前半=迹門十四品について
【?】『法華経』後半=本門十四品の展望
【?】むすび
? 作品の中の法華経精神
第一章 仏教からの近代文明批判と仏教の眼
=『注文の多い料理店』=
【?】「都会文明と放恣な階級への反感」
【?】仏教思想=「三毒」の戒めからの警告
第二章 春のイメージと修羅の懊悩
=『春と修羅』の主題=
【?】菩薩の祈りに生きることと、修羅のごとき己れの存在
【?】菩薩への思慕と修羅の悔恨
【?】「春と修羅」と法華経の世界
第三章 妹トシと信仰の深まり
=「永訣の朝」前後=
【?】「永訣の朝」
【?】「無声慟哭」
第四章 『銀河鉄道』断章
=「十界」の描写と宇宙観=
【?】宇宙観と法華経の世界
【?】『銀河鉄道の夜』の背後にある『法華経』「如来寿量品」の世界
【?】『銀河鉄道の夜』の構成
【?】『銀河鉄道の夜』と死の問題
【?】法華経解釈の「十界」と銀河系宇宙
第五章 デクノボー精神と不軽菩薩思慕
=「雨ニモマケズ手帳」=
【?】写経からはじまる『雨ニモマケズ手帳』
【?】苦痛とのたたかい
【?】幻想・妄想からの脱却
【?】不軽菩薩思慕
? 賢治の祈り
第一章 仏陀釈尊への帰命と地涌菩薩尊崇
=賢治のいただいた菩薩の祈り=
【I】「法華文学ノ創作、名ヲアラハサズ」
【?】法華経への目覚め
【?】菩薩への憧憬
【?】上行菩薩と常不軽菩薩
第二章 病床での苦悩
=賢治における生と死=
【?】賢治の童話に見る「死」の意識と祈り
【?】死の覚悟
【?】「遺言」
【?】生死を一貫するイメージ
【?】『雨ニモマケズ手帳』にみる生と死
あとがき
渡邊 寶陽[ワタナベ ホウヨウ]
昭和8年(1933年)東京生れ。立正大学元学長、立正大学名誉教授、文学博士。『日蓮宗信行論の研究』(平楽寺書店)、『法華経・久遠の救い』(NHK出版)、『仏教を生きる われら仏の子 法華経』(中央公論新社)、『日蓮仏教論?その基調をなすもの』(春秋社)、『わが家の宗教 日蓮宗』(大法輪閣、共著)など。