内容説明
ソフトウェアの開発・利用において、カーネルのような根幹部分について理解せずにすむのがOSの役割ではあるものの、エンジニアとしてはこうしたシステムの根本的な仕組みを知り、具体的にイメージできることが大きな強みになります。本書では、長くLinuxカーネルを扱ってきた著者陣が、スケジューリングやメモリ管理など古典的なOS機能はもちろん、VMやコンテナ、セキュリティ機能など、より新しい内容も幅広く、多くのイラストを交えて解説します。これまで専門的な知識がなければなかなかアプローチできなかったLinuxカーネルの構造や仕組み、働きについて、さまざまな視点から解説する一冊といえるでしょう。
目次
Linuxカーネルの基本
プロセススケジューラ
メモリ管理
ファイルシステム
ブロックI/O
デバイスマッパ
LVM
ネットワーク
セキュリティ
仮想化(1):ハイパーバイザ
仮想化(2):コンテナ型仮想化
トラブルシューティング、デバッグ概要
著者等紹介
市川正美[イチカワマサミ]
サイバートラスト株式会社のLinuxエンジニア。組み込み向けLinuxディストリビューション開発やCIPプロジェクトのカーネルチームにて活動。最近は大学院にて情報セキュリティを研究している
大岩尚宏[オオイワナオヒロ]
サイバートラスト株式会社のLinuxエンジニア。最近は主に組み込みLinuxにおいて調査、不具合の解析をしている
島本裕志[シマモトヒロシ]
日本電気株式会社で、ネットワークインフラ開発を通じLinuxカーネル開発に関わる。Linuxサーバ上でのリアルタイムシステム構築についてカーネル観点からの支援などを行っている
武内覚[タケウチサトル]
サイボウズにおいてストレージシステムを開発している。かつてはLinux開発者だった
田中隆久[タナカタカヒサ]
サイバートラスト株式会社のLinuxエンジニア。プロジェクトで活用した技術を深堀りしながら、Kubernetes認定資格や第一級陸上特殊無線技士免許を取得するなど技術のアンテナを広げて何か面白いことができないかを考えている
丸山翔平[マルヤマショウヘイ]
サイバートラスト株式会社のエンジニア。組み込み機器やサーバ用セキュリティ製品やBOMの作成・管理・診断システムなどを開発(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
ハードとソフトの世界をつなぐ
OSの根幹となる仕組みを理解しよう
OSにおいて、カーネルとはその名のとおり「核」となるコンポーネントであり、記憶領域やファイルシステムの管理、プロセス制御、スケジューリング、ネットワーキングなど、ハードウェア制御に関わる幅広い機能を担っています。
Webやエンタープライズ、組み込みに至るまで、世界中のあらゆるところで、Linuxを基本OSとするシステムが稼働しています。Linuxはオープンソースソフトウェアであり、誰でも広くアクセスできることがその発展を支える特徴の1つといえるでしょう。しかし、その土台となるカーネルに限ってみても、ソースコードを読み込んで理解するにはあまりにも大規模かつ複雑な存在です。そのため、Linuxカーネルの役割や仕組みを理解している人が少ないのもまた事実なのです。
ソフトウェアの開発・利用において、カーネルのような根幹部分について理解せずにすむのがOSの役割ではあるものの、エンジニアとしてはこうしたシステムの根本的な仕組みを知り、具体的にイメージできることが大きな強みになります。本書では、長くLinuxカーネルを扱ってきた著者陣が、スケジューリングやメモリ管理など古典的なOS機能はもちろん、VMやコンテナ、セキュリティ機能など、より新しい内容も幅広く、多くのイラストを交えて解説します。これまで専門的な知識がなければなかなかアプローチできなかったLinuxカーネルの構造や仕組み、働きについて、さまざまな視点から解説する1冊といえるでしょう。
◆◆◆◆目次◆◆◆◆
第1章 Linuxカーネルの基本
第2章 プロセススケジューラ
第3章 メモリ管理
第4章 ファイルシステム
第5章 ブロックI/O
第6章 デバイスマッパ
第7章 LVM
第8章 ネットワーク
第9章 セキュリティ
第10章 ハイパーバイザと仮想化
第11章 コンテナ型仮想化
第12章 トラブルシューティング/デバッグ概要