悪いがん治療―誤った政策とエビデンスがどのようにがん患者を痛めつけるか
内容説明
昨今無数に登場しては話題を集める「がんの新薬」は一般社会から高い期待を受けている。しかし、その効果はしばし誇大に説明され、現実を超えた大きな期待を呼び起こしてしまう―人びとのがん治療のとらえ方を歪めさせ“悪いがん治療”に導いてしまう要因とは何か?現役の腫瘍内科医が、医薬品開発・医薬品行政の根本的な問題を明らかにし、がん医療の未来について考える。
目次
第1部 がんの薬の効果はどれくらいで、値段はどれくらいか(がん治療薬の基礎:費用、利益、バリュー;がんの代理エンドポイント:それは何か、どこに使われるのか ほか)
第2部 がんの医学をゆがめる社会的な力(がんの医学をゆがめる誇張、偏向、暴走する熱狂;経済的利益相反 ほか)
第3部 がん治療のエビデンスと臨床試験を解釈する方法(研究デザイン201;がん診療の原則 ほか)
第4部 解決(がんの薬の開発はどのように進むべきか;連邦3機関は明日から何ができるか? ほか)
著者等紹介
プラサード,ヴィナイヤク[プラサード,ヴィナイヤク] [Prasad,Vinayak K.]
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の疫学・統計学科准教授を勤める。血液腫瘍内科医。専門分野はがん治療薬、医療政策など。執筆のほかpodcast、YouTube、Twitterでも多数の支持者を集めている
大脇幸志郎[オオワキコウシロウ]
1983年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。出版社勤務、医療情報サイト運営の経験ののち医師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)