内容説明
「身心変容」というキーワードから、日本精神史における世阿弥の急進性と革新性を考究し、現代にまで続く思想の系譜をたどる。満を持してはなたれる一大世阿弥論。
目次
序章 中世の再発見―スパイラル史観と現代大中世論
第1章 世阿弥の冒険
第2章 大和の国の祭礼と申楽と細男の舞
第3章 身心変容技法の起源としての洞窟
第4章 身心変容技法の展開
第5章 身心変容技法としての歌と剣
第6章 芸術・芸能とシャーマニズム―柳宗悦「神秘主義」論と岡本太郎「シャーマニズム」論
第7章 神話的時間と超越体験
第8章 トランス身体の探究―宗教における行と身体
終章 世阿弥力顕現―臨機応変力の探究と練磨
著者等紹介
鎌田東二[カマタトウジ]
1951年徳島県生まれ。國學院大學文学部哲学科卒、同大学院神道学専攻博士課程単位取得満期退学。岡山大学大学院医歯学総合研究科社会環境生命科学専攻単位取得退学。現在、上智大学グリーフケア研究所特任教授。放送大学客員教授。京都大学名誉教授。京都伝統文化の森推進協議会会長。博士(文学)。専門とする領野は宗教哲学、比較文明学、民俗学、日本思想史、人体科学など多岐にわたり、縦横無尽に学問領域を行き来し、独自のあたらしい観点から多様な研究を打ちたてつづけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
これまで秘されていた偉人の思想を照らす光芒一閃たる一大世阿弥論!不要なものを徹底してはぶき、究極ともいえる美学を追究した演劇史上における革命的表現。それが能である。その創始者である世阿弥とはいかなる人物なのか。そして、その哲学と思想の核心とは何なのか。「身心変容」というキーワードから、日本精神史のなかにおける世阿弥の急進性と革新性を考究し、現代にまで続く思想の系譜をたどる。