統合失調症のノルアドレナリン説―開けゆく展望
内容説明
統合失調症の生物学的本体は何か?この答として、近年海外では「ノルアドレナリン説」が注目されはじめている。本書はこの分野を過去50年、我が国で開拓してきた著者による、この説の基礎・臨床にわたる平易な解説書である。ここから、統合失調症の不可解な症状の説明が可能となるばかりでなく、分類学を超えて心因を重視する将来の精神科医療への展望が開けてくる。
目次
第1章 謎の病気・統合失調症との出会い
第2章 「心」の生物学的基盤としての脳
第3章 統合失調症の脳科学を求めて
第4章 脳内ノルアドレナリン系の機能
第5章 重度ノルアドレナリン症候群としての統合失調症
第6章 ノルアドレナリン症候群の広がり
第7章 ストレスとノルアドレナリン症候群
第8章 精神医学の来し方と行方
著者等紹介
山本健一[ヤマモトケンイチ]
1943年生まれ。1961年山口県立防府高校卒業。1967年東京大学医学部卒業。同大学附属病院にて研修後、1969‐71年昭和大学烏山病院勤務。その後、東京大学医学部脳研究施設研究生(神経生理部門)、1972‐77年東京都神経科学総合研究所非常勤研究員(神経生理学部門)を経て、1978‐2003年、東京都精神医学総合研究所の常勤研究員(神経生理学部門、都立松沢病院外来も兼務)として働く。この間1987‐88年にかけてハーバード医科大学精神医学部門のVisitingScientistに招かれ、帰国後は神経生理学部門の部門長を、また1998年より同研究所の副所長を務める。現在、東京都医学総合研究所特別客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)