内容説明
セルフネグレクトは時間をかけた自殺行為である。自己放棄の結果、徐々に自分を社会的に殺していく。自己肯定ができず、生への欲求も消えた父親のストレスは、妻や子どもへの暴力として現れる。そうした虐待の連鎖を断ち切るためにはどうしたらいいのだろうか。研究者やカウンセラーが、実例を挙げながら虐待の予防と防止の方法を提起する。
目次
序章 セルフネグレクトと父親―その見えざる存在
第1章 五人の虐待父親とセルフネグレクトの関係
第2章 父親であること―社会格差の現実のなかで
第3章 ステップファミリーとセルフネグレクトの継父
第4章 新生児殺にみる父親の機能不全
第5章 シングルファーザー―苦悩の果てに
第6章 性的虐待と父の自己破壊
第7章 家族崩壊と少年非行との間でセルフネグレクトする父親
第8章 子どもと関わることができない父―発達障害の父親のセルフネグレクト
終章 「助けて」と言えない父親を支える仕組み
著者等紹介
石川瞭子[イシカワリョウコ]
元・聖隷クリストファー大学社会福祉学部教授、博士(社会福祉学)、臨床心理士。専攻は社会福祉学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
「ゴミ屋敷」「日常生活の破綻」――徐々に自身を社会的に殺し、身体をみずから破壊するセルフネグレクト。
その原因は、失業などの喪失体験、対人関係の破綻、酒やギャンブルなどへの逃避、危険で過重な労働、極度のストレスなどがある。その結果、不衛生な住環境、最低限の栄養や水分も補給しないで健康を放棄する、などの「自己放棄」が起きる。
自分を評価できずに生への欲求も消えた父親のストレスは、妻や子どもへの暴力として現れる。そうした虐待の連鎖を断ち切るためには何が必要なのか。
研究者やカウンセラーたちが実例を挙げながら虐待の予防と防止の方法を提起する。
目次
序 章 セルフネグレクトと父親 石川瞭子
第1章 五人の虐待父親とセルフネグレクトの関係 石川瞭子
第2章 父親であること 石川瞭子
第3章 ステップファミリーとセルフネグレクトの継父 佐藤佑真
第4章 新生児殺にみる父親の機能不全 眞口良美
第5章 シングルファーザー 小楠美貴
第6章 性的虐待と父の自己破壊 中村洋子
第7章 家族崩壊と少年非行との間でセルフネグレクトする父親 木村由美
第8章 子どもと関わることができない父 池田信子
終 章 「助けて」と言えない父親を支える仕組みを 石川瞭子