“本の泉社”転換期から学ぶ歴史書シリーズ 天皇制と歴史学―史学史的分析から
内容説明
この国は「天皇制」の呪縛から解放されているか―。日本人のあいまいな心性の拠りどころを、史料を読み解き、過去をたずね、追究する。幕末から現代までを射程に、歴史と歴史学を問い、イヤな空気感の現代を衝く。史実の怪奇、複雑の絶妙、混沌のリアル、人間の豊穣―興趣つきない歴史探究の書。
目次
序論 天皇制イデオロギーにおける大嘗祭の機能―貞享度の再興より今日まで(中世への訣別;古代の発見・神々の復活;近代への暗転;天皇制国家下の大嘗祭―記紀神話への祭祀の画一化;天皇制ファシズム国家下の大嘗祭―アラヒトガミの国民支配;象徴天皇制下の大嘗祭)
1部 幕末維新変革と歴史認識(幕末・明治前期における歴史認識の構造;混沌のなかの開成所;政治と歴史学―明治期の維新史研究を手掛かりとして)
2部 近・現代天皇制イデオロギー批判と史学史の課題(天皇制ファシズムとそのイデオローグたち―「国民精神文化研究所」を例にとって;『日本文化大観』編修始末記―天皇制ファシズムにおける文化論・文化史の構造;近代主義と近代主義者;史料編纂所の歴史とその課題)
著者等紹介
宮地正人[ミヤチマサト]
1944年生まれ。東京大学史料編纂所教授、同所所長、国立歴史民俗博物館館長、歴史科学協議会代表委員などを歴任。東京大学名誉教授。専攻は日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)