内容説明
本書では、小児期の逆境的な体験(Adverse Childhood Experiences:ACE)が、トラウマとしてどれほど深く心身に影響を及ぼすか、そして自らの子供を虐待するにいたるような深刻なサイクルを打ち破るにはどうすればいいかが解き明かされる。科学的洞察にもとづき、ACEの原因究明と分析の経緯を力強い文章でつづった。医学的実績に裏付けられているとともに、著者やその夫と4人の子供たち、また患者の実例をふんだんに引用した革新的な実践書でもあり、トラウマの後遺症克服のための“希望の書”として多くの賛同を得ている。
目次
第1部 発見(何かがおかしい;ストレスホルモン;40ポンド)
第2部 診断(赤い車と熊;大きな乱れ;スキンシップ)
第3部 処方箋(ACEの解毒剤;実験、反対!;ガスリー・テスト;最強の緩衝材)
第4部 革命(満ち潮;細菌とストレス;バックミラー)
付録1 「ACEスコアツール」
付録2 「CYW逆境的小児期体験質問票」
著者等紹介
ハリス,ナディン・バーク[ハリス,ナディンバーク] [Harris,Nadine Burke]
カナダ・バンクーバー生まれ。センター・フォー・ユース・ウェルネス(サンフランシスコ市、ベイビュー・ハンターズ・ポイント)の設立者兼CEO。幼少期の有害な経験と有害ストレスを後の健康への有害な影響と関連付けた功績で、ニューヨーカー誌などで紹介される。2016年にハインツ賞を受賞。『小児期トラウマと闘うツール―進化・浸透するACE対策』が初の著書(書籍)。夫、4人の息子とともにサンフランシスコ在住
片桐恵理子[カタギリエリコ]
愛知県立大学日本文化学科卒。カナダで6年、オーストラリアで1年の海外生活を経て翻訳の道に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)