内容説明
育った環境は体を作ると同時に、そのストレスは健康問題を引き起こすかもしれない。そう警鐘を鳴らすのは、ACE(Adverse Childhood Experiences:逆境的小児期体験)研究だ。この重要かつ大規模な研究によって、小児期の逆境体験と成人後の身体・精神疾患の発症の関係について反論の余地がない事実が明らかになった。この画期的な本で、著者はストレスの影響を受ける子どもと受けない子どもの違い、男性より女性のほうがストレスのリスクが高い理由について解説している。そして、逆境に苦しみ、やっとのことで克服した人たちの体験談を交えながら、脳をリセットする17の方法、大切なわが子を救う14の方法を紹介し、回復への道筋を示している。先駆的な調査に基づき、明晰な文章で書かれた本書を読めば、自分や愛する人がなぜ苦しみにとらわれたのか、どうすれば立ち直ることができるのかを理解できるだろう。
目次
1 私たちはどうやっていまの自分になったか(どんな大人も昔は子どもだった;異なる逆境が同じ病気を引き起こす;傷つきやすい人とそうでない人;逆境の女性脳―自己免疫疾患、うつ病、不安症との関係;人並みの家族)
2 小児期逆境後症候群からの回復―本来の自分を取り戻すにはどうすればいいか(回復への旅;専門家の支援で小児期逆境後症候群から立ち直る;虐待を受けて育った人の子育て―あなたと子どもを助ける14の方法)
著者等紹介
ジャクソン・ナカザワ,ドナ[ジャクソンナカザワ,ドナ] [Jackson Nakazawa,Donna]
デューク大学卒業。科学ジャーナリスト。ヴァージニア州クリエイティブ・アーツ・センター、ニューハンプシャー州マクドウェル・コロニー、ニューヨーク州ヤドーのレジデンス・フェロー。著書に自己免疫国際会議から賞を受賞した『免疫の反逆 自己免疫疾患はなぜ急増しているか』(ダイヤモンド社)がある。家族とともにメリーランド州在住
清水由貴子[シミズユキコ]
上智大学外国語学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)