内容説明
CRAFT(クラフト)とは、Community Reinforcement and Family Trainingのことで日本語に訳すと「コミュニティ強化と家族訓練」となる。CRAFTは、依存症者の家族を対象にしたプログラムとして開発されたものであり、治療困難な薬物・アルコール依存の問題が社会問題化している現在、当事者と家族への有効な援助技術として注目されている。本書は、わが国でCRAFTを実践する著者らが、依存症から抜け出すための秘訣を段階を追ってワークブック形式で解説したものである。全7回のプログラムによって、当事者と家族の関係を修復し、社会復帰へとつなげる画期的な治療マニュアルである。
目次
第1章 まずはじめに必要なこと
第2章 問題行動の分析
第3章 家庭内暴力の予防
第4章 コミュニケーション・スキルの改善
第5章 イネーブリングを止め、望ましい行動を増やす
第6章 あなた自身の生活を豊かにする
第7章 本人に治療を勧める
著者等紹介
吉田精次[ヨシダセイジ]
1981年、徳島大学医学部卒。2001年から藍里病院にてアルコール依存症治療、2007年からギャンブル依存症治療を開始。日本アルコール関連問題学会・評議員、徳島県断酒会・顧問、徳島アルコール関連問題研究会・代表、四国ギャンブル問題を考える会・世話人、四国CRAFT研究会・代表、徳島自殺予防面接技法研究会・世話人
境泉洋[サカイモトヒロ]
1976年、宮崎県生まれ。1999年、宮崎大学教育学部卒。2005年、早稲田大学博士(人間科学)。2004年から志學館大学大学院心理臨床学研究科講師を経て、2007年4月から徳島大学総合科学部准教授、2009年4月より、現職、徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部准教授。臨床心理士、認定行動療法士。日本認知・行動療法学会代議員、行動療法研究常任編集委員、認知療法研究常任編集委員、NPO法人全国引きこもりKHJ親の会理事、徳島県青少年健全育成審議会委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
薬物・アルコール依存症のメカニズムを解き明かし,硬直化した家族関係を変容,緩和させていくための最強の治療プログラム。
CRAFT(クラフト)とは,Community Reinforcement and Family Trainingのことで日本語に訳すと「コミュニティ強化と家族訓練」となる。CRAFTは,依存症者の家族を対象にしたプログラムとして開発されたものであり,治療困難な薬物・アルコール依存の問題が社会問題化している現在,当事者と家族への有効な援助技術として注目されている。
本書は,わが国でCRAFTを実践する著者らが,依存症から抜け出すための秘訣を段階を追ってワークブック形式で解説したものである。このプログラムは,認知行動療法という心理療法の技法に基づいて行われ,参加した多数の家族が,本人を治療につなげることに成功している。問題行動の分析,家庭内暴力の予防,コミュニケーションスキルの改善,イネーブリングを止め,望ましい行動を増やす,本人に治療を勧める,等,全7回のプログラムによって,当事者と家族の関係を修復し,社会復帰へとつなげる画期的な治療マニュアルである。
第1章 まずはじめに必要なこと
1 クラフト・プログラムについて
2 いくつかのお約束
3 依存症のメカニズム
4 悪循環から抜け出すための秘訣
5 あなたの幸福度
6 目標を設定しましょう
第2章 問題行動の分析
1 はじめに
2 薬物使用・飲酒による問題行動
3 薬物使用・飲酒行動の分析
4 おわりに
第3章 家庭内暴力の予防
1 はじめに
2 暴力とは
3 暴力の分析
4 安全な対応を練習しましょう
5 暴力が起きた場合
第4章 コミュニケーション・スキルの改善
1 はじめに
2 新しいコミュニケーション・スキル
第5章 イネーブリングを止め,望ましい行動を増やす
1 イネーブリングを止める
2 イネーブリングを止め,それに代わる方法
3 飲んでいるときにはどうするか?
4 望ましい行動に報酬を与える練習をしましょう
第6章 あなた自身の生活を豊かにする
1 はじめに
2 自分をほめる
3 自分への報酬を考えてみましょう
4 協力者〜相談相手〜仲間を探す
第7章 本人に治療を勧める
1 本人に治療を勧める
2 相談に行ってみるという相手の意欲を高める方法
3 ポジティブなコミュニケーション・スキルを使う
4 準備しておくこと