統合失調症と家族―当事者を支える家族のニーズと援助法
内容説明
家族の一員が統合失調症になれば、ほかの全員も影響を受ける。精神の病をもつ人が何を考え、感じているか。家族は何を主張したいか。治療者は、何をし、どんな信念を持っているのか。本書は、重い精神の病(統合失調症やうつ病)の人の家族が、その病気からどんな影響を受け、どんな思いを抱き、何を必要としているかということに焦点を当てた画期的な本である。
目次
孤独な旅―家族が精神の病になったとき
子どもの声―「私に救いの手を差し伸べて」
配偶者の声―誰も差し入れを持ってきてくれない病気
きょうだいの声―「どうか私の話を聞いてください」
親の声―究極の悲しみ
祖父母の声―三重苦
親類の声―「一体、何がどうなっているの?」
終わりのない悲嘆
一度だけ、マイナスの思いを吐き出して
対処とコントロール
プロセス―前進と後退の繰り返し
私が死んだら―子どものほうが少しだけ先に死んでくれれば…
希望
バベルの塔―交錯する思い
ひとつの声
著者等紹介
ワソー,モナ[ワソー,モナ][Wasow,Mona]
ウィスコンシン大学マディソン校ソーシャルワーク科の臨床教授で、重い精神の病の専攻責任者である。これまでに家族計画や、人間の性、老化、重い精神の病といった分野で多数の論文を発表し、ワークショップを行なってきた
高橋祥友[タカハシヨシトモ]
1953年、東京生まれ。金沢大学医学部卒。医学博士、精神科医。1987〜88年度、フルブライト研究員として、UCLAでシュナイドマン教授のもとで自殺予防および死にゆく患者の精神療法を学ぶ。2002年より防衛医科大学校・防衛医学研究センター・行動科学研究部門・教授
柳沢圭子[ヤナギサワケイコ]
上智大学外国語学部英語学科卒業。翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)