植物染色
内容説明
工業化社会における手仕事の復権を訴え、実践したメレ夫人。柳宗悦らの民芸運動にも深く関わった夫人の主著“Vegetable Dyes”を、日本の羊毛染織の第一人者が翻訳、紹介する。
目次
第1章 ウール、絹、木綿、麻
第2章 媒染剤
第3章 英国の染料植物
第4章 地衣類の染織
第5章 青色
第6章 赤色
第7章 黄色
第8章 茶色と黒色
第9章 緑色
第10章 木綿の染色
第11章 絹の染色
著者等紹介
メレ,エセル[メレ,エセル][Mairet,Ethel]
染織家。1872年に英国のバーンスタプルで生まれる。バーンスタプル美術学校修了後、美術教師となるが、1899年王立アカデミーで教員免許を取得し、ロンドン等で家庭教師職につく。その後、結婚にともないセイロン島に赴き、セイロン刺繍などを調査、研究。帰国後の1912年エリザベス・ピーコックらの弟子を擁する染織工房を開設する。デザインと織作業の分業を廃して、シンプルな織りと色彩の調和した作品を作り出す。1938年「ロイヤル・デザイナー・フォー・インダストリー」の称号を授与される。1921年バーナード・リーチとともに訪れた浜田庄司に強い影響を与え、日本民芸運動と結ばれていく。1926年に来日、東京・銀座でリーチとの二人展を開催している
寺村祐子[テラムラユウコ]
女子美術大学名誉教授、国画会会員、地衣類研究会会員。東京・渋谷に生まれる。女子美術大学芸術学部美術科(工芸)を卒業し、染織工芸家柳悦孝に師事。その後、女子美術大学で後進の指導にあたるかたわら、国展などへ作品を発表し、染織作家として活躍。地衣類など植物染料によるウール染織の第一人者として知られる