従軍慰安婦と公娼制度―従軍慰安婦問題再論
内容説明
「性的奴隷型」と「売春婦型」二つのタイプの検討を通じて従軍慰安婦問題の核心に迫る。中国戦線の日本人町全体に日本人売春婦が一万五千人もいた。日本軍と共生して中国各地で「日本人町」を形成した日本人商人、日本の公娼制度との関連など、日本近代史の恥部に光をあてながら、従来の画一的な「従軍慰安婦像」を排し、「自虐的」でも「ねつ造」でもない「実像」に迫る。
目次
第1章 中国戦線に形成された日本人町―従軍慰安婦問題再論
第2章 駐留部隊と在留日本人商人との「共生」―満州国熱河省凌源県城の事例
第3章 近代日本の公娼制度
第4章 満州の酌婦は内地の娼妓
第5章 密航婦「虐殺」事件と多田亀吉
第6章 大連の人喰い虎の伝説
第7章 「からゆきさん」のこと―私の研究成果から
著者等紹介
倉橋正直[クラハシマサナオ]
1943年静岡県浜松市生まれ。東京大学文学部東洋史学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程(東洋史学)修了。愛知県立大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)