内容説明
「犯人捜し」だけで医療はよくなるのか?医療という「複合システム」に内在するエラー。失敗を活かすことこそ真の医療安全につながる。
目次
第1部 エラーは生命に内在する(システムと人間;生命は不均衡の中に;エラーは成功のもと)
第2部 エラーが原因で発生するアクシデントを防ぐ(アクシデントの再発を防ぐために;アクシデントを未然に防ぐために―予測という人間の特性)
解題 医療事故―エラーを受け入れるには(入江芙美)
著者等紹介
ドゴース,ローラン[ドゴース,ローラン] [Degos,Laurent]
1945年生まれ、パリ出身。血液学の分野において臨床医及び研究者として大きな業績をあげた後、フランス移植機関(EFG)や医薬品医療機器安全機構(AFSSAPS)、高等保健機関(HAS)の長を務めた。現在、パリ・ディドロ大学(パリ第七大学)医学部名誉教授、パスツール研究所評議会副議長。またEUやOECDの医学・科学パネルのメンバーでもある。科学論文のみならず一般向けの著書多数
入江芙美[イリエフミ]
1977年生まれ。2002年九州大学医学部を卒業、2004年厚生労働省に入省。2007年フランス国立行政学院に留学、2009年帰国。厚生労働省食品安全部基準審査課長補佐、健康局新型インフルエンザ対策推進室長補佐などを経て、現在、九州厚生局健康福祉部医事課長。医学博士
林昌宏[ハヤシマサヒロ]
1965年生まれ。立命館大学経済学部卒業。翻訳家として多くの話題作を提供(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
いまこそ「医療の安全」について議論しよう!
医療は常にエラーを伴うことによって進化してきた。エラーによる失敗から学ぶことが医療事故を減らすことになる。
日本でも本年10月に施行される「医療事故調査制度」で注目の集まる医療安全の問題を考えるうえで不可欠な1冊!
第1部 エラーは生命に内在する
1 システムと人間
2 生命は不均衡の中に
3 エラーは成功のもと
第2部 エラーが原因で発生するアクシデントを防ぐ
4 アクシデントの再発を防ぐために
5 アクシデントを未然に防ぐために:「予測」という人間の特性
解説
1 エラー称賛から医療安全へ
2 医療事故 古今東西
3 エラーを前提としたシステムづくり
4 医療が目指すものはなにか
【著者紹介】
1945年生まれ。パリ・ディトロ大学医学部教授。キュリー研究所がんセンター副所長。