ホモ・サケル - 主権権力と剥き出しの生
出版社内容情報
アガンベンの仕事は、小社刊の『人権の彼方に』によって9・11以後の世界政治が大きく変転しはじめたことと相俟って、静かな、しかし熱いまなざしで受容されつつあります。本書はアガンベンの主著『ホモ・サケル』の翻訳です。前著によって示された「例外状態と剥き出しの生」について、ホモ・サケル(聖なる人間=剥き出しの生)の形象を追跡しつつ、主権的決定の現場に迫る魅力的な議論を展開しているばかりではなく、カール・シュミットの「例外状態」の概念を、ハンナ・アーレントの全体主義とミシェル・フーコーの生政治に立って鍛え直した刮目すべき書です。「剥き出しの生」の形象は、もはやアウシュヴィッツのみならず、今日のわれわれの日常にすでに馴みになっています。