近現代の皇室観と消費社会
内容説明
戦前・戦後で大きな転換を伴う中、天皇制はいかに大衆の支持を維持してきたか。二〇世紀日本における皇室を商品としたメディア・祝祭記念品の需用のあり方を検討し、人びとの天皇家に対する認識を考察。天皇制支持構造の分析のみならず、その国民統合の象徴的作用が失効していく様相にも言及し、消費社会化が君主制国家にもたらした影響に迫る。
目次
消費社会のなかの君主制
1部 メディアの皇室表象(二〇世紀初期の脱神聖視傾向;二〇世紀初期の皇室観とメディア;村の世界の皇室観 ほか)
2部 消費される祝祭行事(帝都住人の祝祭体験;君主のスペクタクルの知覚様式;祝祭記念商品の都市購買者像)
3部 戦時・戦後の皇室観(戦時期の皇室報道と祝祭体験;戦後の皇室報道・皇室観;「御成婚」ブーム再考)
跋扈する“消費者”、消える“国民”
著者等紹介
右田裕規[ミギタヒロキ]
1973年、島根県に生まれる。1998年、京都大学文学部卒業。2004年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。現在、山口大学時間学研究所准教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
戦前・戦後で大きな転換を伴う中、天皇制はいかに大衆の支持を維持してきたか。20世紀日本における皇室を商品としたメディア・祝祭記念品の需用のあり方を検討し、人びとの天皇家に対する認識を考察。天皇制支持構造の分析のみならず、その国民統合の象徴的作用が失効していく様相にも言及し、消費社会化が君主制国家にもたらした影響に迫る。