天皇の美術史 〈3〉 乱世の王権と美術戦略<室町・戦国時代>
出版社内容情報
南北朝?戦国の動乱期、天皇はいかに美術に関与し続けたか。生き残りをかけた王権の美術戦略は、強力なイメージの磁場を生み出した。南北朝から戦国の動乱期、天皇はいかに美術に関与し続けたのか。室町期天皇の知られざる絵巻享受、天皇と天下人による文化の覇権争い。生き残りをかけた王権の美術戦略は、やがて強力なイメージの磁場を生み出した。
総説 乱世の王権と美術戦略…?岸 輝/天皇と中世絵巻…?岸 輝(はじめに―中世天皇の「正統」と絵巻/花園天皇と絵巻の時代〈花園天皇の美術サロン/高階隆兼の新古典/宝蔵の解体と絵巻の流転―蓮華王院宝蔵から仁和寺宝蔵へ〉/『看聞日記』の造形世界―室町時代の天皇と絵巻〈北朝分裂と土佐派誕生/皇胤再興への道のり―『看聞日記』にみるコレクションの消長/「薄氷」の時代と絵画―足利義教の絵巻と唐絵/絵巻コレクションの継承と拡張/「御絵抜群」の系譜―後花園天皇と絵巻〉以下細目略/洛中洛外の絵巻ルネサンス―戦国時代の天皇と絵巻)/天皇と天下人の美術戦略…黒田 智(はじめに―十六世紀最後の一〇年/復興の世紀/首都と内裏の風景―〈外〉なる細画/豪壮なるネイション―〈内〉なる大画/レガリアの系譜/おわりに―寛永三年九月六日
?岸 輝[タカギシ アキラ]
黒田 智[クロダ サトシ]
1970年埼玉県生まれ。2001年,早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学,早稲田大学高等研究所助教を経て,現在,金沢大学人間社会学域学校教育学類准教授。博士(文学) ※2011年2月現在【主な編著書】『中世肖像の文化史』(ぺりかん社,2007年),『なぜ対馬は円く描かれたのか』(朝日新聞出版,2009年)