内容説明
「がんを予防するワクチン」は世界に広まったが、副作用の報告が多発。効果は証明されたのか。多角的調査から真実を追い、安全なワクチンのあり方を問う。
目次
1 臨床試験(発明者への褒賞;臨床試験がもたらした健康被害―デンマークからの証言 ほか)
2 市場で大ヒットしたHPVワクチン(無から生み出された市場;アメリカ合衆国―販売と強制 ほか)
3 HPVワクチンの科学の深層へ(科学の通説への異議申し立て―異端者たち;アルミニウム含有アジュバントは“火に注ぐ油”か ほか)
4 異議の高まり(日本―ワクチン接種の積極勧奨中止;デンマーク―ヨーロッパにおける抵抗 ほか)
著者等紹介
ホーランド,メアリー[ホーランド,メアリー] [Holland,Mary]
法学博士。慢性疾患の蔓延の原因に取り組み、子どもたちの健康改善を目的とした組織Children’s Health Defenseの会長兼法律顧問を務める。最近、ニューヨーク大学大学院法務技術プログラムのディレクターを退任するまでの過去18年間、コロンビア大学法科大学院およびニューヨーク大学法科大学院の教授を務め、人権に関する講座を担当した
ローゼンバーグ,キム・M.[ローゼンバーグ,キムM.] [Rosenberg,Kim Mack]
法学博士、個人で活動する弁護士。製造物責任補償や保険適用訴訟を手がける一方、自閉症、子どもたちの健康、環境問題などの問題を担当し、子どもたちの健康を追求する多くの非営利団体の運営にかかわってきた
イオリオ,アイリーン[イオリオ,アイリーン] [Iorio,Eileen]
健康・医療問題のライター。銀行と金融論を学ぶ。ワクチンで傷害を負った子の母
別府宏圀[ベップヒロクニ]
1964年東京大学医学部卒業。東京都立神経病院神経内科部長、都立北療育医療センター院長、横浜総合健診センター・新横浜ソーワクリニック院長などを経て、現在、横浜ソーワクリニック勤務。専門は神経内科。臨床医として勤務する傍ら、製薬企業から独立した立場で医薬品の監視・情報収集・開示に取り組んできた。1985年、医薬品・治療研究会を組織し1986年日本初の独立医薬品情報誌『正しい治療と薬の情報』(TIP)を創刊、以来2014年まで同誌編集長を務めた。International Journal of Risk and Safety in Medicine誌編集委員(1990〜95年)、British Medical Journal誌編集委員(1997〜2000年)、NGO薬害オンブズパースン会議(副代表、1997年〜現在)、NPO DIPEx−Japan健康と病いの語り(代表、2006年〜現在)など。日本臨床薬理学会/日本薬剤疫学会名誉会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
2006年、子宮頸がんの病変に関連するウイルス(HPV:ヒトパピローマウイルス)のワクチンが米国で商品化された。「がんを予防するワクチン」の登場である。高い抗体価が長期間にわたって保持される仕組みによってHPVの感染を阻止するというこのワクチンは、現在までに125か国以上で少年少女に接種され、天井知らずの収益を生んでいる。
一方、世界中で重篤な副作用の報告が相次いでいる。自己免疫や脳の炎症との関連を解明しようとする研究が進んでいるが、因果関係をめぐる論争に決着はついていない。
このワクチンはどのように開発されたのか。臨床試験と接種後のモニタリングに問題はなかったか。大成功と称される製薬会社の宣伝戦略の実態。米国をはじめインド、英国、アイルランド、デンマーク、日本、コロンビアなど各国の被害と医師、政府の対応。司法の救済を求める少女・親たちの裁判闘争。
予防のためには多少の犠牲はやむをえないとする論理が被害者を生みだす事実にどう向きあうか。
科学論争から社会現象までを詳細な調査によって追い、HPVワクチンをめぐる真実に迫った。真に安全なワクチンのあり方を考えるうえで必読の書。