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手話を生きる―少数言語が多数派日本語と出会うところで
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内容説明

聞こえないこと。それは必死に受容し、克服すべき障害ではない―手話と日本語のバイリンガル教育を掲げる明晴学園から見えてくる手話とろうの豊かな世界。



目次

1 手話が現れるとき(ろうがいい;朝の会 ほか)
2 自然言語としての手話(ストーキーの発見;自然言語に優劣はない ほか)
3 ろう者の手話と聴者の手話(八潮「たんけん」;手話付きスピーチ ほか)
4 手話の本来の姿(和光大学での論争;人権救済の申し立て ほか)
5 手話言語の試練(サケのピリカ;感覚のポリティクス ほか)



著者等紹介

斉藤道雄[サイトウミチオ]
1947年生まれ。ジャーナリスト。TBSテレビ報道局の記者、デイレクター、プロデューサー、解説者として報道番組の取材、ドキュメンタリー番組の制作に従事。先端医療、生命倫理、マイノリティ、精神障害、ろう教育などをテーマとしてきた。2008年から5年間明晴学園の校長、現在は理事長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



出版社内容情報

聞こえないこと。それは必死に克服すべき「欠陥」ではない――バイリンガルろう教育の現場から見えてくる、ろうと手話の豊かな世界。

聞こえないこと、それは「欠陥」として意識しつづけ、絶え間ない努力によって乗り越えなければならない障害ではない。 日本のろう者・ろう児の母語、日本手話で授業を行い、手話と日本語のバイリンガル/バイカルチュラルろう教育を実践する日本初にして唯一の学校、明晴学園から見えてくる ○ ろう教育の歴史 ○手話という言語が乗り越えてきた、また今も向き合っている困難 ○ 言語学からみる手話 ○ 補聴器、人工内耳など最新の動向……ろう者・ろう児、その親、教育者、日本手話の話者・通訳者(ろう者・聴者いずれもがいる)、手話言語学の研究者といった多方面の人びとへのインタビュー、欧米の動きや事例、研究成果、国内外の文献、そして、何よりも明晴学園で「手話を生きる」子どもたちのことばをとおして、過去から未来へ、現在進行形で変わりつつある手話の世界を描く。

【二つの世界――はじめに】
【1.手話が現れるとき】ろうがいい/朝の会/手話の学校/幸運な出会い/読売新聞紙上の論争/授業参観の日に/権威の衣/ミラノ会議/手話によるインプット/トータル・コミュニケーションの台頭
【2.自然言語としての手話】ストーキーの発見/自然言語に優劣はない/民間信仰から言語科学へ/二言語基底共有説/バンクーバー決議/ことばの里親/ランゲージ誌論文の波紋/人工内耳を生かす自然手話
【3.ろう者の手話と聴者の手話】八潮「たんけん」/手話付きスピーチ/日本手話の発見/日本語対応手話の席巻/頭のなかの言語/変化の兆し/手話を生きる
【4.手話本来の姿を見る】和光大学での論争/人権救済の申し立て/内からの否定/フリースクールへの胎動/龍の子学園/教育特区のもとで/よみがえる手話/伏流の文化言語モデル/ろう社会の混乱/先端の手話言語学/手話はローコンテキストか/ジョイスに手話を
【5.手話言語の試練】サケのピリカ/感覚のポリティクス/日本語中心主義/二つの言語のはざまで/私たちは何をしたのか
【あとがき】