内容説明
量子化学計算プログラムの進歩は目覚ましく、いまや化学研究において不可欠なツールとなっている。一方、プログラムに実装されている内容は、量子化学の教科書で述べられる「解析的な定式化」とは大きく異なり、その理論的背景を理解するのは難しい。本書は、量子化学計算プログラムで用いられている作業方程式(working equation)を実際に「手で解く」ことで、その理論的背景の理解を目指した書籍である。2巻では、定量性を高めるために欠かせない電子相関の理論を、多数の演習問題や「手で解く課題」とともに解説する。近年多用されている密度汎関数理論(DFT)については第5章で取り上げる。また、巻末に掲載された問題の詳解は、読者の理解を大いに助けるであろう。著者による長年の大学院教育の成果を凝縮した、渾身の一冊。
目次
1 配置間相互作用法
2 多体摂動論
3 結合クラスター法
4 多体Green関数法
5 密度汎関数理論
演習問題 解答
補遺:交換相関汎関数
付録1:HeH系の分子積分
付録2:HeH+の軌道エネルギーと分子軌道
著者等紹介
中井浩巳[ナカイヒロミ]
早稲田大学先進理工学部化学・生命化学科教授。1965年奈良県生まれ。1987年京都大学工学部卒業、1992年京都大学大学院工学研究科博士課程修了(博士(工学)取得)。その後、京都大学助手(1992年)、早稲田大学理工学部専任講師(1996年)、助教授(1998年)、教授(2004年)を経て2006年より現職。2014年より英国王立化学会フェロー(FRSC)。2023年より国際量子分子科学アカデミー(IAQMS)メンバー。専門は物理化学、理論化学、量子化学、電子状態理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
量子化学計算プログラムの進歩は目覚ましく,いまや化学研究において不可欠なツールとなっている.一方,プログラムに実装されている内容は,量子化学の教科書で述べられる「解析的な定式化」とは大きく異なり,その理論的背景を理解するのは難しい.
本書は,量子化学計算プログラムで用いられている作業方程式(working equation)を実際に「手で解く」ことで,その理論的背景の理解を目指した書籍である.II 巻では,定量性を高めるために欠かせない電子相関の理論を,多数の演習問題や「手で解く課題」とともに解説する.近年多用されている密度汎関数理論(DFT)については第5章で取り上げる.また,巻末に掲載された問題の詳解は,読者の理解を大いに助けるであろう.
著者による長年の大学院教育の成果を凝縮した,渾身の一冊.