東京大学工学教程 基礎系化学 無機化学〈2〉金属錯体化学
目次
1 序論(錯体化学とは;Werner型錯体と有機金属錯体;代表的な配位子;命名法)
2 Werner型錯体の化学(金属錯体の電子状態;金属錯体の反応)
3 有機金属化学(有機金属錯体の概要;有機金属錯体の反応;有機金属錯体を触媒とする反応)
4 生物無機化学(ヘムタンパク質;さまざまな金属タンパク質;光合成;金属錯体を用いたさまざまな治療)
付録(結晶場分裂の近似的な計算;H¨uckel法による配位子場分裂の計算 ほか)
著者等紹介
石井和之[イシイカズユキ]
東京大学生産技術研究所教授
北條博彦[ホウジョウヒロヒコ]
東京大学環境安全研究センター教授
西林仁昭[ニシバヤシヨシアキ]
東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
量子化学・熱力学・電子論に基づいた金属錯体化学の原理・機構を丁寧に解説.
1 章では,工学的応用や生物学的機能の観点から身の回りの金属錯体を紹介.また,錯体化学における定義を解説.
2 章では,Werner 型金属錯体の電子状態を,結晶場理論・配位子場理論を用いて,量子化学的理解へも踏み込めるように配慮しながら解説.また,化学平衡論,速度論,熱力学的考察などの原理・機構と結び付けながら反応を解説.
3 章では,18 電子則をもとに,Werner 型金属錯体・有機化合物と比較することで,有機金属錯体の概要を解説し,さまざまな有機金属錯体を紹介.多様な酸化的付加と還元的脱離を反応の原理として学び,応用例として有機金属錯体を触媒とする反応を紹介.
4 章では,生体内におけるWerner 型金属錯体,有機金属錯体の具体例として金属タンパク質を紹介し,生物学的機能における金属イオンの重要性を解説している.