内容説明
著者がこれまで研究対象としたごみの「有料化」と「見える化」は、地方自治体のごみ減量施策に大きな成果をもたらしてきた。一方、人口減少と高齢化に直面する多くの自治体にとって、行財政改革の推進が急務である。そこで、「有料化」や「見える化」によるごみ減量効果の検証から一歩進め、減量をごみ処理の「効率化」につなげる可能性や具体的な取り組みについて検討した。各種効率化施策による経費削減効果などのデータは、全国自治体へのアンケート調査と訪問調査により収集。有料化導入によるごみ減量を通じた経費削減効果について検証し、ごみ処理をめぐる各種制度の見直しによる業務効率化の取り組みを提言した待望の書。
目次
第1章 家庭ごみ有料化の現状とごみ減量効果
第2章 有料化でごみ処理経費を減らせるか
第3章 収集効率化の取り組み
第4章 収集業務改善への取り組み
第5章 変革期を迎えた東京23区収集業務(前編)―社会変化への対応と効率化の取り組み
第6章 変革期を迎えた東京23区収集業務(後編)―今後の取り組み課題
第7章 ごみ減量による中間処理費削減
第8章 インセンティブプログラム活用の取り組み
第9章 ごみ処理の効率化をめざして
著者等紹介
山谷修作[ヤマヤシュウサク]
東洋大学経済学部教授。中央大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。1949年生まれ。専門は環境政策。特に廃棄物行政に詳しく、全国の自治体に精力的に足を運んでファールドワークを実施。著書に、公益事業学会賞受賞『ごみ有料化』(丸善、2007)、『ごみ見える化』(丸善、2010)など。ごみに関する審議会にも数多く参加し、環境省の廃棄物会計基準・有料化ガイドライン策定検討委員会の委員、山梨県・朝霞市・町田市・西東京市・多摩市・台東区・中野区・練馬区などの委員会・審議会会長を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)