内容説明
複雑性PTSD、発達性トラウマ障害。「どうして、ちゃんとできないんだろう?」幼少期の心の傷からくる“強烈な劣等感”“怒り・恐怖”が第四の発達障害を引き起こす―。
目次
第1章 不調の原因は「トラウマ」だった!?(私って発達障害?;過去のトラウマが今の自分に与える影響)
第2章 解離性フラッシュバックの症状と治療(冷凍保存された過去;解離性フラッシュバックとは?;過去と現在の区別;解離性フラッシュバックの治療)
第3章 過去の自分を助けにいこう(消えない「自己否定」;トラウマの箱がもたらす症状;過去の自分との邂逅;セルフコンパッション;トラウマからの回復)
付録(複雑性PTSDと発達性トラウマ障害;トラウマ関連疾患と解離;トラウマ関連疾患と愛着の関係;トラウマ関連疾患と発達障害)
著者等紹介
生野信弘[イクノノブヒロ]
1988年長崎大学医学部卒業、1995年同大学院修了。医学博士。同大学卒業後、長崎大学第二内科、佐世保市立総合病院で内科医長を務め、1998年にオーストラリア・モナッシュ大学の生化学&分子生物学科に2年間留学。帰国後、離島医療やホスピス緩和ケアに従事。2001年に精神科に転向し、その後、対人関係療法などを学び、現在は田町三田こころみクリニックで、対人関係療法とともに「発達性トラウマ障害」や「複雑性PTSD」などトラウマ疾患の診断と治療も行っている。精神科専門医・指導医(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
ミスが多い、集中力が続かない、癇癪を起こす、先のばし癖……
もしかしてその裏には「トラウマ」が隠れているかもしれません。
毒親問題や性被害など、過去に受けたトラウマは本人が想像している以上に、今の性格や言動に影響を及ぼします。
?自分の意志を伝えることが苦手、そもそも自分の感情が分からない
?無条件に相手の言いなりになってしまう
?他者が自分を非難・攻撃していると思い疑心暗鬼になる
?他者と親しい関係を結べない
?恋人や配偶者にきつく当たってしまう
など、人間関係の構築にもトラウマが関連していることがあります。
トラウマ関連疾患の「複雑性PTSD」が、2019年に世界保健機関(WHO)の定める疾病分類『ICD-11』に登録されるなど、トラウマによりもたらされる症状や治療法は徐々に明らかになってきています。
過去を変えることはできませんが、治療をすることで生きづらさを抱える現在、そして未来を変えていくことは可能です。
同書ではトラウマにより現れる症状や治療法、そして回復までの過程を分かりやすく解説。自分や身近な大切な人が症状に悩んでいる…そんな人にとっても入門書となる一冊です。