内容説明
3歳の時に東京に移住した台湾人作家が、台湾語・中国語・日本語の三つの母語の狭間で揺れ、惑いながら、自身のルーツを探った感動の軌跡。日本エッセイスト・クラブ賞受賞作に、刊行後の出来事について綴った3篇を加えた、待望の増補版。
目次
わたしのニホン語事始め
なつかしさよ、こんにちは
ピンイン様の逆襲
眠る中国語
ママ語の正体
南方訛り
ペーパーガイジン
「投票」したい
台湾総統選挙を控えて
台湾総統選挙の日〔ほか〕
著者等紹介
温又柔[オンユウジュウ]
作家。1980年、台湾・台北市生まれ。3歳の時に家族と東京に移住し、台湾語混じりの中国語を話す両親のもとで育つ。2006年、法政大学大学院・国際文化専攻修士課程修了。09年、「好去好来歌」ですばる文学賞佳作を受賞しデビュー。16年、『台湾生まれ 日本語育ち』で第64回日本エッセイスト・クラブ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
日本エッセイスト・クラブ賞受賞作、待望の増補版!
3歳の時に東京に移住した台湾人作家が、台湾語・中国語・日本語の3つの母語の狭間で揺れ、惑いながら、自身のルーツを探った感動の軌跡。日本エッセイスト・クラブ賞受賞作に、刊行後の出来事について綴った3篇を加えた、待望の増補版。
「子どもの頃も含めると、あなたの母語は何ですか? と数えきれないほど訊かれてきた。同じ質問をされるのが苦痛な時期もあったが、いまのわたしは、待ってました、とばかりにほほ笑む。
――タイワン語とチューゴク語の織り交ざったこのニホン語のことですよ。
この答えにたどり着けたのは、約四年の月日をかけて“失われた母国語”を求めつつ、自分にとって言葉とは何かと徹底的に考えぬいた成果なのだと思っている。」――(「Uブックス版に寄せて」より)
温 又柔[オン ユウジュウ]
著・文・その他