目次
第1部 本書の意図(現代の企業にとって真の競争優位とは何か;抜本的変革に向けた2つの試み)
第2部 脳力を持つ意味(左脳―分析力;右脳―創造性 ほか)
第3部 筋力のコンピテンシー(脊椎―ロジスティクス;手―モノづくり ほか)
第4部 システムリーダーのパワー(システムリーダー―脳力と筋力の継続的な改善を推進する)
著者等紹介
シーゲル,ロバート・E.[シーゲル,ロバートE.] [Siegel,Robert E.]
スタンフォード大学ビジネススクール経営学講師、シリコンバレーを拠点とするベンチャー投資家。スタンフォード大学では、技術革新が生み出す機会と課題を中心に、大企業と中小企業の両者における戦略とイノベーションについて複数のコースで教鞭を執る。具体的には、企業は顧客のためにデジタルソリューションとフィジカルソリューションをどのように組み合わせるべきか、それによって生じる製品開発や組織設計、リーダーシップへの影響を研究し、製品管理および開発のベストプラクティス、起業*家のための財務管理およびそれらに関連するテーマもカバーする。ベンチャー投資家としては、成長するスタートアップを分析し、数億ドルに上るベンチャーキャピタルの資金提供に関与。GEやインテルなどの大企業で指導的役割を担い、複数のスタートアップの起業も経験。多数の企業の取締役を兼務。アンディ・S・グローブのベストセラー『パラノイアだけが生き残る』の主任リサーチャーを務めたほか、ビジネス書や学術出版物への寄稿多数。カリフォリニア大学バークレー校で学士号、スランフォード大学でMBAを取得。妻との間に成人した子供が3人いる。カリフォルニア州ポートラバレー在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
現在、企業に求められるのはDXを通じたデジタルのコンピテンシーだけではない。目立ちはしないが、地に足の着いたモノづくりや物流などのフィジカルなコンピテンシーも、規模の大小を問わずいまも企業の成功に欠かせない。
スタンフォード大学経営大学院の経営学講師で、シリコンバレーを拠点とするベンチャー投資家でもある著者は、デジタルを「脳力」、フィジカルを「筋力」にたとえ、企業が競争優位を獲得するには、脳力と筋力両方の長所を相互補完させた戦略を構築する必要があると唱える。
本書では、分析力、創造性、共感力、リスク管理、内製とアウトソーシングという5つの脳力と、ロジスティックス、モノづくり、企業規模の活用、エコシステムの管理、持久力、事業の継続化という5つの筋力に関し大企業とスタートアップの事例を用いながら実践的に説明し、経営者がデジタル・フィジカル双方の能力を持つ「システムリーダー」になるための条件を提示する。
ダイムラー、ABインベブ、ジョンソン・エンド・ジョンソンといった大企業から、アライン・テクノロジー、トゥエンティースリー・アンド・ミー、スティッチ・フィックスといった急成長を遂げたスタートアップまで、さまざまな企業の脳力と筋力を診断する。
本書を読めば、個人も組織も従来の考え方にとらわれることなく、筋力が強い既存型の大企業は脳力のコンピテンシーを大幅に向上させ、逆に脳力に優れたスタートアップは筋力を高める可能性の扉を大きく開くことができる。