内容説明
この20年間に、気分障害の診断や疫学、治療法はどのように変わったのか?また、病気の考え方や原因についての研究はどう変化したのか?日本の精神医療の現場を牽引する三人の精神科医が、新たな臨床のあるべき姿を模索し、最新の情報と豊富な経験知をもとに最前線から発信する。
目次
第1部 気分障害の診断と治療―一九九九年の討論(気分障害の診断と治療の要点;躁うつ病の概念における歴史的変遷と今日の診断基準;気分障害のコモビディティ;特殊な気分障害;気分障害と性格;治療的観点から見た気分障害の経過;新世代の抗うつ薬―一九九九年の議論;気分安定薬の臨床的特徴と注意点)
第2部 新しい気分障害の臨床―さらに二〇年後の臨床現場に向けて(疫学、政策、診断の変遷;DSM‐4からDSM‐5へ;社会の変化とうつ病の病態像の変化;職場のメンタルヘルスの変化;三環系うつ薬からSSRIの時代へ;双極性障害の治療の変化;心理教育について;気分障害への精神療法的アプローチ;リワークプログラムの現状と課題)
著者等紹介
神庭重信[カンバシゲノブ]
九州大学医学研究院精神病態医学分野教授。1954年福岡県生まれ。1980年慶應義塾大学医学部卒業、慶應義塾大学医学精神神経科入局。1982〜87年米国メイヨクリニックへ留学、精神薬理学フェロー、その後、精神科レジデント終了、同アシスタント・プロフェッサー。1993年慶應義塾大学医学部講師(一時期漢方クリニック兼務)。1996年山梨大学精神神経医学講座教授。2003年より現職。2017年日本精神神経学会理事長
坂元薫[サカモトカオル]
赤坂クリニック坂元薫うつ治療センター長。1956年東京都生まれ。1982年東京医科歯科大学医学部卒業後、東京女子医科大学神経精神科にて研修。1985〜87年旧西ドイツ政府給費留学生としてボン大学精神科留学。1993年東京女子医科大学神経精神科講師。1999年同助教授。2007年同教授。2016年より現職
樋口輝彦[ヒグチテルヒコ]
国立精神・神経医療研究センター名誉理事。日本うつ病センター理事長。1945年兵庫県生まれ。1972年東京大学医学部卒業。1976年埼玉医科大学精神医学講座助手、講師。1989年群馬大学医学部精神医学講座助教授。1994年昭和大学藤が丘病院精神科学教授。1999年国立精神・神経センター国府台病院副院長、院長。2004年国立精神・神経センター総長。2010年国立精神・神経医療研究センター理事長・総長。2016年3月同センター退職、4月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
気分障害研究を牽引する三人の精神科医が、それぞれの立場から気分障害についての最新の情報、臨床の技を自在に語り合った一書。日本の気分障害研究を牽引し、臨床実践の最前線に立つ三人の精神科医が、それぞれの立場から気分障害についての知見や最新の情報、臨床の技について2回の座談会で自由自在に語り合った至高の一書。
第?部は、「躁うつ病の概念と診断」「治療と経過」など、研究によるエビデンスを臨床にどのように応用していけばよいのか、その際に生じる問題点は何なのかなど、1999年の座談会の内容に現時点での注釈を加えながらまとめる。
第?部では、第?部の座談会から20年の時を経て、気分障害の「診断」「疫学」「治療法」「病気の考え方」「原因研究」などがどのように変化したのか、あるいは変わらずどのような状況にあるのか、などについて縦横に語り合う。そこから何が見えてくるのだろうか?
本書は、後進の医師たちに大きなエールを贈るとともに警鐘をも打ち鳴らす、現代精神医学界への貴重な提言に満ちた書である。
はじめに
第?部 気分障害の診断と治療─ 一九九九年の討論
第一章 気分障害の診断と治療の要点
第二章 躁うつ病の概念における歴史的変遷と今日の診断基準
第三章 気分障害のコモビディティ
第四章 特殊な気分障害
第五章 気分障害と性格
第六章 治療的観点から見た気分障害の経過
第七章 新世代の抗うつ薬
第八章 気分安定薬の臨床的特徴と注意点
第?部 新しい気分障害の臨床─さらに二〇年後の臨床現場に向けて
はじめに─この二〇年を振り返って
第一章 疫学、政策、診断の変遷
第二章 DSM─?からDSM─5へ
第三章 社会の変化とうつ病の変化
第四章 職場のメンタルヘルスの変化
第五章 三環系抗うつ薬からSSRIの時代へ
第六章 双極性障害の治療と病態像の変化
第七章 心理教育について
第八章 気分障害への精神療法的アプローチ
第九章 リワークプログラムの現状と課題
神庭 重信[カンバ シゲノブ]
著・文・その他
坂元 薫[サカモト カオル]
著・文・その他
樋口 輝彦[ヒグチ テルヒコ]
著・文・その他