メルロ=ポンティと病理の現象学
内容説明
高次脳機能障害、幻影肢、ヒステリー、統合失調症、文化・政治の病的形象―メルロ=ポンティが論じた“病”の包括的検討を通し、思想の新たな地平を切り拓く、新鋭による豊潤な達成。
目次
若きメルロ=ポンティと病的現象の発見
第1部 高次脳機能障害(『行動の構造』における病的現象の位相;症例シュナイダーと経験の平板化―失認とアナロジー障害;症例ベルクマンと色名健忘症)
第2部 幻影肢(幻影肢現象―シャルコー・レルミット・メルロ=ポンティ;政治の病理学―サルトル情緒理論の受容)
第3部 精神分析・精神病理学・文学(性・失声・身体―症例シュナイダーから失声現象へ;精神分裂病;ヒステリー―『受動性講義』における症例ドーラ;文学表現における病的現象―メルロ=ポンティとクロード・シモン)
著者等紹介
澤田哲生[サワダテツオ]
1979年、静岡県生まれ。パリ東(旧第12)大学クレテイユ校人文社会科学研究科博士課程哲学・認識論専攻修了(人文科学博士号「哲学・認識論」取得、2008年)。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得満期退学(2009年)。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)、静岡大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)