いけばなの思想―空海にはじまる千二百年の歴史
内容説明
山岳信仰と密教が出合い、空海から覚鑁、そして修験道へと受け継がれた思想を辿り、いけばなのルーツ“たて花”成立の謎に迫る。花伝書の絵図や秘文を読みとき、いけばなの歴史を仏教思想史との関わりからダイナミックに描き出す論考。
目次
第1部 いけばなと真言密教(空海の密教曼荼羅と花マンダラ;覚鑁の思想から生み出された「いけばな」)
第2部 いけばなと修験道(いけばなの宇宙観―山から滝、そして海へ;仏神・神仏人・諸仏をあらわす「たて花」;人の身体や心をあらわす「たて花・立華・生花」)
著者等紹介
中山真知子[ナカヤママチコ]
1951年、兵庫県生まれ。帝塚山学院高校在学中から社寺探訪と古典文学に没頭し、成城大学文芸学部卒業。西洋美術史を専攻(宮川淳ゼミ)。1974年、アールヌーボーの調査のため、欧州に滞在し、曲線美から脱皮するように「モンドリアン」(大学卒業論文)の直線美に到達。曲線でも直線でもない自然の形状、植物自体の簡潔性と調和を認識し、帰国後いけばなを始め、家元教授資格を取得。1989年より、アジア各地で現地の植物を使ったワークショップなどを行い、日本文化の普及活動に務める。現在、アジアセンター(マレーシア)客員研究員、「新古典いけばな」主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
いけばなの起源に迫り、空海の思想と日本の山岳信仰がどのように結びついていけばなが誕生したのかを探る。いままで謎に包まれていた、いけばなの出発点である「たて花」の成立過程を、花伝書や仏教思想を読み解きながら明らかにする。