内容説明
現代の臨床医学において、核医学的イメージング法は、循環器、脳、癌を初めとするあらゆる診療分野において欠くことのできない非侵襲的診断法となっている。その基には、ポジトロン核種を含む新しい放射性同位元素が容易に利用できるようになったこと、新しい放射性医薬品が開発され、これまで他のモダリティーでは得られなかった生体情報が収集できるようになったこと、機器の発達により、撮像時間の短縮や分解能が向上し、診断精度の増大がもたらされたこと、新しい情報処理法が開発され、得られる情報量が増加したこと、等が挙げられる。本書では、このような核医学診断法の基礎的原理から、最近の進歩までをまとめ、解説したものである。
目次
1 放射性同位元素(同位元素とは;放射性同位元素の寿命 ほか)
2 放射性医薬品(放射性医薬品とは;用いる測定機器から見た放射性医薬品 ほか)
3 核医学画像処理装置(基本原理;シンチレーションカメラの基本構成 ほか)
4 核医学データ処理装置(核医学データ処理装置の構成;基本性能 ほか)
5 PET(原理と特徴;PET装置の概要 ほか)
著者等紹介
楠岡英雄[クスオカヒデオ]
1975年大阪大学医学部医学科卒業。1985年工学博士(大阪大学)。1988年医学博士(大阪大学)1990年ジョンズ・ポプキンス大学助教授。1992年大阪大学助教授。1998年国立大阪病院臨床研究部長。現在に至る
西村恒彦[ニシムラツネヒコ]
1972年京都府立医科大学卒業。1977年大阪大学大学院医学研究科修了。医学博士。1978年国立循環器病センター医員。1985年国立循環器病センター医長。1991年大阪大学教授。1994年スタンフォード大学客員教授。1999年京都府立医科大学教授。現在に至る
藤林靖久[フジバヤシヤスヒサ]
1977年京都大学薬学部卒業。1986年薬学博士(京都大学)。1993年京都大学助教授。1995年博士(医学)(京都大学)。1999年福井医科大学教授、現在に至る
天野昌治[アマノマサハル]
1978年京都大学工学部原子核工学科卒業。1978年(株)島津製作所勤務、現在に至る
田口正俊[タグチマサトシ]
1973年東京理科大学理工学部電気工学科卒業。1973年(株)日立メディコ勤務、現在に至る