空海「秘蔵宝鑰」をよむ―心の秘宝を開く鍵
内容説明
淳和天皇の勅命により、空海が天長年間(八二四〜八三四)に著した密教の教義書「秘蔵宝鑰」―。宗教心を一〇段階に分け、心の深展を論究し、最終段階=密教の扉を開いた。真言密教の開祖・空海が到達した「密教の真髄」をよむ。
目次
空海の時間と空間
『秘蔵宝鑰』―その著述目的と概要
第1 異生羝羊心―動物的生活に終始する心
第2 愚童持斎心―自ら反省し、他人に施す心
第3 嬰童無畏心―死後天に生まれると信じて安心する心
第4 唯薀無我心―すべての存在は五要素のみであるとする心
第5 抜業因種心―迷いの種子を引き抜こうとする心
第6 他縁大乗心―わけへだてることなく大慈悲心をふりそそぐ心
第7 覚心不生心―すべてのとらわれから解放される心
第8 如実一道心―すべてが清浄であり、障りがないものと観ずる心
極無自性心―真実の世界でさえもうつろうものと観ずる心
秘密荘厳心―秘密荘厳の扉を開く心
著者等紹介
福田亮成[フクダリョウセイ]
1937年、東京に生まれる。東洋大学文学研究科仏教学専攻博士課程修了。大正大学教授、智山伝法院々長、川崎大師教学研究所所長を経て、大正大学名誉教授。種智院大学客員教授。文学博士。真言宗智山派成就院長老(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)