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光文社新書 ミル『自由論』の歩き方―哲学古典授業
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内容説明

自由主義の古典『自由論』は、百五十年以上も前に出版された本でありながら、現代人に有用な生きるヒントが詰まっている。言論の自由や行動の自由などの「個人の自由」が、個人のみならず社会全体にとって大切な理由。“普通”をありがたがり変人や愚行を許さない社会への批判。これらの議論は現代社会を予測していたかのようである。本書では京都大学の倫理学入門講義をベースに、とっつきにくい哲学古典をやさしく解説。ミル自身の人間的体験―父からの英才教育の影響による精神的危機や紆余曲折の末に結婚した妻への傾慕―も解説しながら「自由とは何か」を考える。



目次

第一講 J・S・ミルの生涯(一八五九年に出た重要な本;ミルの生涯 ほか)
第二講 多数者の専制と個人の自由『自由論』第一章(『自由論』のテーマ;多数者の専制 ほか)
第三講 言論の自由 『自由論』第二章(言論の自由と「多数者の専制」;抑圧されようとしている意見が真である場合 ほか)
第四講 天才・変人・そして自由 『自由論』第三章(ここまでの復習;「生き方の実験」をする自由 ほか)
第五講 自由はどこまで許されるか 『自由論』第四章・第五章(自由主義の諸原則;パターナリズムと選択的夫婦別姓 ほか)



著者等紹介

児玉聡[コダマサトシ]
1974年大阪府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学。博士(文学)。現在、京都大学大学院文学研究科教授。専門は倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



出版社内容情報

哲学古典『自由論』は「自由とは何か」「個人の自由はどこまで許されるか」という永遠のテーマに鋭く切り込んだ、現代人にとっても必読の書。本書は光文社古典新訳文庫を底本とし、京都大学で開講中の倫理学講義をベースに、「他人に危害を加えない限り人は自由に行為できる」という他者危害原則、普通規範、言論の自由の範囲など、今なお議論が活発な論点について親しみやすく説いた「古典の歩き方」である。