働く母親と階層化―仕事・家庭教育・食事をめぐるジレンマ
内容説明
「新自由主義的母性」を喧伝する女性活躍政策は何をもたらすのか。非正規/大企業総合職/専門職など、多様な「働く母親」へのインタビューから浮かび上がる差異とは。ジェンダー、労働、教育、家事、格差…日本社会の問題が交錯し凝縮する「母親」という結節点。
目次
働く母親と階層化
第1部 育児・家庭教育(母親意識と時間負債―母親業と仕事を織り合わせる;家庭教育へのかかわり方と就業意欲―「親が導く子育て」と「子どもに任せる子育て」;家庭教育における父母の役割分担―4つの類型)
第2部 仕事・家事(大卒女性の稼ぎと職業に対する意識;非大卒女性の稼ぎと職業に対する意識―日常生活のリアリティ;愛情料理は誰のため―写真にみる家庭の食卓)
仕事と子育ての不平等是正に向けて
フィールド調査の方法
著者等紹介
額賀美紗子[ヌカガミサコ]
東京大学大学院教育学研究科修士課程修了、カリフォルニア大学社会学部博士課程修了(Ph.D.)。現在、東京大学大学院教育学研究科准教授
藤田結子[フジタユイコ]
コロンビア大学社会学科修士課程修了、ロンドン大学博士課程修了(Ph.D.)。現在、明治大学商学部専任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
多様な背景をもつ母親たちのリアルな語りを収集・分析。働く母親の多義性と格差を明らかにし、女性たちの困難をめぐる課題を提起。
就学前の子をもつ母親たちは働きながら子育てをすることの困難をどのように経験し、仕事と育児・家事のバランスをどのように交渉しているか、またそのありようは階層によってどのように異なるか。これまで高学歴世帯に偏った視点で語られてきた問題を階層的視点から捉え直し、母親業という困難な営みをめぐる課題を提起する。