内容説明
投票や政治的プリンシパル‐エージェント問題といった政治経済学的アプローチを駆使し、政府の守備範囲とその限界に関して示唆に富む議論をする。
目次
第1章 市場と所有権
第2章 集団の利益
第3章 投票と公共財
第4章 市場の補正
第5章 社会正義
第6章 政治と再分配
第7章 課税
第8章 利用者料金
第9章 政府はどのくらいの規模であるべきなのか
第10章 健康、教育、退職
著者等紹介
井堀利宏[イホリトシヒロ]
1952年生。ジョンズホプキンス大学大学院経済学博士課程修了(Ph.D.取得)。東京大学大学院経済学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
財政政策と公共政策の分野での新しいタイプのテキスト。政治経済学的アプローチを駆使して政府の守備範囲とその限界に関し示唆に富む。
本書で提起される基本的な問いは、(1) 政府に財政と公共政策に関する責任を付与するのが望ましいのはいつか、(2) 政府が財政と公共政策を通じて統制力を行使することを許されるとき何が起こるのか、というものである。政府の公共政策と財政の関係について類書にないユニークな記述が多く、多くの読者にとって興味深いと思われる。
第1章 市場と所有権
1.1 はじめに
1.2 私的所有権と法の支配
1.3 肥大化した政府下での生活
第2章 集団の利益
2.1 公共財
2.2 情報と公共財
2.3 公共財のための公共支出
第3章 投票と公共財
3.1 多数決原理と公共財
3.2 政治的競争と公共支出
3.3 政府官僚制による集合的意思決定の実施
第4章 市場の補正
4.1 外部性に対する私的な解決
4.2 公共政策と外部性
4.3 市場取引の禁止
第5章 社会正義
5.1 社会厚生と社会保険
5.2 受給資格とインセンティブ
5.3 政府の不在と社会正義
第6章 政治と再分配
6.1 投票と再分配
6.2 政治行動と公共政策
6.3 公共政策とレントシーキング行動
第7章 課税
7.1 個人課税
7.2 何に課税すべきか
7.3 納税拒否
第8章 利用者料金
8.1 公共財に対する利用者料金
8.2 利用者料金と混雑
8.3 利用者料金と自然独占
第9章 政府はどのくらいの規模であるべきなのか
9.1 さまざまな政府
9.2 政府に替わるものとしての協力と信頼
9.3 政府の拡大と憲法上の制約
第10章 健康、教育、退職
10.1 健康保険と医療サービス
10.2 教育
10.3 退職への備え
訳者あとがき
索引